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2021/02/18

本の原稿書きが少し進む。

去る14日。日曜日、バレンタインデー。編集さんと会った。どちらも男だからか、チョコレートのやりとりはなかったし話題にもならなかった。

東大宮まで来ていただいて、もつやきどらごんで生ビールをのみもつやきをくい、100%おれの病の事情でほっておかれた本の原稿の進行について打ち合わせをした。

カレンダーを調べたら、去年の2月15日以来だから、ちょうど1年。あの頃は、まだ新型コロナについての認識はユルユルだった。もちろんマスクはしてないし、「ソーシャルディスタンス」なんていう言葉も知らなかった。おれの身体は快調で、おかしいところはなく、酒をガンガンのみ、若いがあまり酒は強くないらしい編集さんを3軒も連れまわしたのだった。3軒目で編集さんは調子が悪くなって切り上げた。

3月になって、新型コロナの緊迫感は上昇し、おれの体調は急激に悪化した。

治療が始まって、症状はおさまり、検査結果も好転はしたが、完治はない治療であり、なかなか安定しなかった。とくに薬の副作用で治療の計画が変わったり、体力も低下していたし、すぐ疲れるようになり、長い時間パソコンに向かっていられない状態が続いた。

一方、新型コロナ感染対策で、緊急事態宣言があり、図書館などでの調べも難しくなった。

ようするに、本の原稿は半ば諦めの境地もあり、停滞に陥った。

もともと、なんについてもあまり執着がないほうだし、書くことも、執着がなかった。「がんばる」のも、得意じゃない。流れにまかせていた。

いったん基準値以下までよくなった数値は、昨年末には悪い方へ向かって、今年から新しい薬を服用するようになった。

副作用はあるし、数値は基準値以上に上がっているが、自分で感じる身体の調子は、治療が始まって以来、最もよい。これなら、書けきれるかもしれない。

ってことで、東大宮まで来ていただき相談することになった。

お会いして、いろいろ話していると「やる気」もわいてくる。気力充電。

疲れやすい、倦怠感、就寝前の薬を飲んだあと身体のあちこちが突っ張るように痛み寝つきが悪い日がある、書くことに直接影響するのは眼が乾きやすくスッキリ見えない、などが主な副作用だが比較的軽い。うまくなれながら原稿を仕上げられるんではないかという自信みたいなものはついてきた。

すでに書き散らかして保存してある文章を読み返してみたら、自分でもけっこうおもしろい。それに、この1年のあいだにテーマにからむ「騒動」もあって、もっとおもしろく書けそうだ。新型コロナ禍と自分の病が浮き彫りにしたこともある。まとめ直し、とりあえず、あと一か月で少しでもカタチにしよう。

考えること書くことは、ウォーキングのように身体を動かすより疲れる。うまく身体と精神などの状態をコントロールできますように。

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2021/02/06

五十嵐洋之さんの訃報。

去る3日、ビレッジプレスから五十嵐洋之さんが亡くなったことを知らせるメールが届いた。

「昨年6月、食道に腫瘍が見つかり、自宅で闘病しておりましたが今年1月8日に死去しました。50歳でした。」とのこと。

五十嵐洋之さんは、ビレッジプレスの社長であり『雲遊天下』の編集長として活躍されていた。

メールには、このようにも書かれていた。

「『雲遊天下』132号は3月ごろより制作を進めていましたが緊急事態宣言発令で一旦中断しているところへ病気が見つかりました。
すでに状態は非常に悪く、それでも秋のはじめ頃までは、なんとかつくりたいとパソコンに向かったりもしていましたが、気力も体力ももたず、かないませんでした。
残念ですが『雲遊天下』は休刊といたします。」

『雲遊天下』には何度か寄稿させていただいたし、初めてお会いした『雲遊天下』発行前からいろいろ気にかけていただきながらあまりお役に立てなかった。

残念、としかいいようがない。

50歳という若さ、『雲遊天下』でもっといろいろやりたいことがあったはずのご本人は、もっと残念だったろう。

編集も小さな出版社の社長も、ご苦労の多い仕事だったと思う。

安らかにお眠りくださいと祈りたい。

18年1月にお会いしたのが最後になってしまった。

インディーズなカルチャーを雑多に編み込んだ『雲遊天下』の休刊は惜しまれるが、貴重な足跡を残したと思う。

おれはとくに、中川五郎さんが書かれていたことが記憶に残っているし、大切な証言だと思っている。山川直人さんの作品は、この雑誌で知った。カニコーセンの堤雅彦さんも。


2015/10/31
『雲遊天下』122号に、南陀楼綾繁『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)について書いた。
http://enmeshi.way-nifty.com/meshi/2015/10/122-9a91.html

2012/11/18
『雲遊天下』111号に「大衆食堂から見るなくなったもの」を寄稿。
http://enmeshi.way-nifty.com/meshi/2012/11/111-a95c.html

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2021/02/05

癌治療11回目。

2月2日が節分の日というのは124年ぶりなのだそうでニュースになっていたが、おれは28日ごとの通院日だった。

9時半の診療予約だったので、その1時間半前つまり8時には再来受付をすまし臨床検査科で採血採尿をしないといけない。混み具合にもよるが、検査結果が出るまでには1時間半みとかなくてはならないことになっている。

病院の受付が始まるのが8時なので、再来受付機が稼働始めてすぐぐらいに機械に診察券を突っ込みペロッと出てきた受診票を持って、臨床検査科へ。臨床検査科が動き出すのは8時半だ。8時45分頃よばれ、採血採尿をすます。

診療受付をして診療室の前で待つ。『サキ短編集』(新潮文庫)を読む。予想していた以上に早く9時45分頃よばれる。

高い薬に替えた結果は、どうか。おれとしては薬の副作用はあるが、治療始まって以来、最も体調がいい感じだ。数値が悪くなっているはずはないという確信があった。

ドアをあけて主治医の顔を見ただけで、いい結果だとわかった。

おれが荷物を置いて座るあいだに、「下がりましたよ、よかった」と主治医がいう。

いくつになりました、腫瘍マーカーの数値を聞く。前回から1割ぐらいの低下で、まだ基準値以下にはなっていない。

もっと下がると思っていたから、そういうと、「新しい薬を飲んだのは21日間だけですからね、こんどは28日になるから、もっと下がると思いますよ」

「ほかの数値もほとんど基準値以内になりましたよ、ほらきれいになって」

モニターをのぞく。基準値越えしている数値の欄はピンク色でピンク色だらけだったのだが、腫瘍マーカー以外のピンク色は肝臓のγ—GTPのみ。それだって、1400ぐらいあったのが70ぐらいになっているし(基準値は18~66)、毎日酒を飲んでのことだから上等だ。

いくつかの副作用の症状についてアレコレ。ようするになれるより仕方ないし、なれることができる範囲の状態で問題なし。

次回の予約をし、中央処置室へ。混んでいて待たされた。いつもの注射2本。

総合窓口に受診票を出し、薬の処方箋を受け取り、自動支払機で会計をすます。8,200円。

薬局へ。混んでいた。

薬代28日分になるから27,000円ぐらい必要かと思っていたが、272,100円で負担額は1割より低い18,000円だった。なぜかわからない。

でも、合計26,200円、高い。これが、毎月になる。これで、どれぐらい、いのちが延びるのだろう。延びて、どうするのだろう。

薬局を出たのは11時半過ぎだった。

今回の腹部の皮下注射は、丁度ベルトの位置ぐらいで、それもあってか、腫れと痛みが少し酷かった。あまり気にしないで動くようにするが、翌日は、ちょっときつかった。

おれの癌細胞は、急激に悪化する質の悪いやつらしいのだが、来月は大丈夫だろう。

2021/01/17
新しい薬。
http://enmeshi.way-nifty.com/meshi/2021/01/post-facf00.html

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2021/02/01

土をいじる。

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放置状態だったプランターの土を再生する作業をした。

60センチばかりの2つだけだが、古いプランターは木枠だったから腐って崩れるままであり、土は腐った木枠や小石と共にカタマリと化していた。

この3、4日は晴れていたから、土を干すのによかった。

干しながら、小石や古い根や木くずなどを取り除く。フルイがあれば簡単かつ正確にできるが、富裕者の道楽じゃないから、そのためにフルイを買う気にもならないし、手作業もアトランダムで悪くない。

面倒だが、集中し、気分転換になる。これは、薬の副作用対策にもなるらしいし、薬が効くためにもいいらしい。プラシーボ。

土をひっくり返しながら干して、1日、2日、土がふかふかになっていく。土が生きているって、この感じだよなあ。

仕上げの決め手は、ミックス・スパイスみたいに、いろいろなものを混ぜて売っている「再生用の土」を混ぜる。

ふっかふかの土になった。

新しく買ったプランターにもどす。

薬の副作用で疲れやすくなっているから、休み休み、ゆっくりゆっくり、身体を動かした。この感じは、かつて「健康」なときにはなかった。

何も考えずに作業に集中したり、藤原辰史『分解の哲学』や『スペクテイター』47号「土のがっこう」それから先日の野良の芸術2021「天空と大地」などを思い出しながら手を動かしていると、脳ミソも身体もふかふかな感じになった。

工学的脳ミソから農学的脳ミソへ。

この感じが原稿になればいい。

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