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2003/03/04

タマゴサンド

おれは、意識としては戦後昭和、猥雑で粗野で田舎くさい戦後昭和を生きているのであって、アタマは平成についていってない、ついていく気もない。と思っていて、戦後昭和は歴史ではないハズなのだが、もう平成も15年だそうで昭和は遠くなり、記憶の底に沈殿したまま浮上しない戦後昭和のことが多くなったようだ。なにしろ、60歳になるというトシでもあるしなあ。

いやね、このあいだ雑談の席で「日曜研究家」で有名になった串間務さんが、どこかの古い喫茶店でタマゴサンドを注文したら、ゆでタマゴをグチャグチャにしてマヨネーズであえたやつをはさんだのが普通だと思うけど、そうじゃなくて、薄いタマゴ焼きがはさんであって、初めてだとか珍しいとか言った。

それをきいて、「そういえば、それは、1960年代、おれが上京したころの喫茶店のサンドイッチは、その薄焼きタマゴをはさんだのが普通だったんだよ」と思い出し、そう言ったのだが、あとになって考えてみると、それがいつごろからゆでタマゴサンドに変わっていったのか思い出せない。いまでも、それが気になってしかたないのだが、思い出せない。

そして、その薄焼きタマゴサンドをよく食べた、市ヶ谷の五番町の角にあった「崑崙」という喫茶店とその味を、懐かしい歴史として思い出すのだった。戦後昭和は、おれの肉体のなかでも、遠くなった。のだろうか。戦後昭和をノスタルジーするようになっちゃあ、ヤキがまわった。

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