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2003/06/14

週刊朝日

今週の「週刊朝日」(6月20日号)に大衆食堂の記事があるけど遠藤さんからんでいるのか、と大衆食の会の方から手紙があった(ユウビンにこだわっている人がいる、おそるべし)。

知らない、からんでいない、買ってみた。うしろのカラーグラビア、4ページをつかって、「健在! 大衆食堂」である。リード文が「早くて安い『効率』一辺倒のチェーン店やマニュアルどおりの接客を繰り返すファミレスに飽きたときは……そうだ、大衆食堂へ行こう」

おれが1994年ごろから目にした、大衆食堂系モノのなかでは、もっとも共感が持てる内容である。

掲載の大衆食堂は、サカエヤミルクホール、都民食堂、下総屋食堂、かめさん食堂、月よし食堂、八景食堂。『大衆食堂の研究』や当サイトにも登場し、あるいはその前から月よしや下総屋などは1994年頃からテレビに登場し、また最近では『東京定食屋ブック』に登場するなどで、「著名」なところがほとんどだ。

しかし、すでに知られている食堂かどうかは「グルメ情報」的には問題だろうが、この記事はそういうものではない。「ジャーナル的」つまり今日的価値としての大衆食堂なのだし、筆者は、その点よいライターらしい仕事をしていると思う。写真もいいね。

で、そのなかで、八景食堂だけは行ったことがない。が、『大衆食堂の研究』では、ちょっとだけ紹介し気になっていたので驚いた。いやあ、健在だったのだ、うれしいねえ。

『研究』を書くときに、資料として『都市住宅』1975年1月号の「駅前スコープ1975」を使っている。一冊まるまる、関東地域の駅前を写真に撮ったものだ。つまり75年の駅前における大衆食堂の存在が確認できるのである。

その横浜市、京浜急行金沢八景駅前の写真に、八景食堂は写っていた。『研究』ではそのことを紹介し、しかしおれは入ったことがなく、またその本を書くときはワザワザ食べに行く取材はあまりやらなかったので、「いまあるかどうか知らん」と書いた。それが載っているのだ。しかも、「場末の大衆食堂といった趣」といった紹介で、うううっ、すっごくソソラレルなあ。

この筆者・中川博樹さんは、情報屋的野心やケレンではなく、ジャーナルな視点を持ちながら、感覚的に大衆食堂が好きで書いていると思われる。いいねえ。

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