溶けた豆腐、昨日の続き
女…溶けた豆腐の件は、どうなりました?
男…今日は忙しい、というか本の原稿が最後の山の佳境に入ったかんじだから、一気に書き上げたい気分。溶けた豆腐なんか、どうでもよい気分。
女…豆腐屋さんから電話があったのでしょ。
男…あったあった。豆腐屋さんというより、豆腐メーカーだけどね。でも、豆腐屋のオヤジというかんじだったが。
女…で、なぜ溶けたの。
男…想像していたとおり、異物やなにかの混入ではなくて、原料調整のミスだね。凝固剤が微妙にすくなすぎたのさ。「なるべく凝固剤を少なくしようとやっているもので」といっていたけど……。ま、そういうこと、じゃあね。
女…あんあんあん、もっと聞かせて。
男…あやまりにくるといったから、そんなめんどうしなくていいといった。それじゃ気がすまないからと、なにか送ってくれるようだ。
女…もっと怒って抗議しなかったの。
男…異物混入なら怒ったけど、そういう原料調整の微妙なミスは、わざとじゃなくて、気をつけていてもおきるし、怒っても解決するものじゃないからね。じゃあ、まちがいなくかためるために凝固剤ふやしてしまえという安直なことになっても、解決にならないし、メーカーと客が理解しあい納得しながら、現状で望ましいよい状態をつくるより仕方ないから。
女…ふーん、そういうものなの。
男…そういうもの。消費者も、客だからと威張っているだけじゃなく、問題があったら、ただヒステリックに騒ぐだけじゃなく、生産者とどうよい製品をつくるかということで関係をつくらないと、お互いに進歩はしないよ。
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