アリガタミといふこと
女…アリガタミというと京都ね。あの優雅。
男…どうだ、アリガタイだろうヒカエオロウ、だね京都は。京都の料理なんか、アリガタミだけで食べさせているし、アリガタミだけで食べているような客がおおいから、内容のないこと天下一品。
女…「天下一品」なんていう名前を堂々と使うラーメン屋も京都です。でも、京都はアリガタミの土地ですから、そういうことを堂々とやれるわけです。見習わなくてはいけませんね。
男…あのラーメン、京都では食べたことないけど、東京の某所で食べて、不味くてまいった。
女…京都のモノに、味をいってはいけません。ひたすら京都だ京都だとありがたがって食べると、アリガタミがあっておいしいのです。
男…ふん、京都の料理というのはさ、どれもこれも味がないようなもので、しかも量が少ないから、まったく食べた気がしない。これはうまいまずい以前の問題だよ。
女…だから、そういう内容のないもので高いカネをとる、それがアリガタミの商法というものです。よく勉強しなさい。
男…とにかく、京都のケチは大阪のケチよりすざましくて、わたし大阪のようなガサツなケチじゃございませんという顔して、おっとりした顔で、実際はものすごくイジマシイケチで、京都の料理の、あの味がないにひとしいうえに量がすくない、あのみすぼらしさいじましさは、京都のケチ体質から生まれたものだね。
女…あなた、もしかして、京都の女にふられた恨みかなんかあるの。とにかく、京都の観光は、究極のアリガタミ商売の寺社仏閣に貴族の伝統、これですから、あそこは丸ごとアリガタミの博物館です。アリガタミを研究するなら京都ですね。
男…ふん、京都の女がなんだ。でも、大衆食堂となると、京都も東京も大阪もかわらんね。大衆食堂は、どこも実質だから。
女…大衆食堂の京都はアリガタミに関係ないの。あなた、京都へ行ったら大衆食堂になんか入らずに、京都のアリガタミを、もっと研究しなさい。
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