アリガタミといふこと
男…たしか視聴率操作をしたテレビ会社だったと思うけど、「幻のイセエビ」で「やらせ」をやったと問題になってたね。食品メーカーがインチキ表示をやると会社が傾くほどの大騒ぎをマスコミをあげてやるのに、自分たち身内のことは、あまり騒がない。
女…それはアタリマエでしょ。マスコミも医師会もおなじよ。ウソやインチキやって人が死んでも平気なの。大きなビル、ええかっこしで、やっていることは低脳よ。だいたいね、むかしは、医者の裏口入学が問題になったけど、最近じゃまったく問題にならないでしょ。もう当然になっているの。
男…ある地方の青年が医者になるため、ある私立の医大の試験を受けました。一年目不合格、二年目不合格。試験のたびに泊まっていた、東京の親戚のオヤジが、青年に「どこを受けているの?」と聞きました。初めてオヤジは青年が医者の学校を受験していると知りました。「なんだ、田舎者は、これだから困るよな、いまどき私立の医者の学校に試験だけで入ろうってのが間違っているよ」と。そのオヤジのコネで、ある医大の教授とコネができました。合格しました。普通の入学費用のほかに1千万円を教授に渡しました。しかし、医者には国家試験があります。これを、どうやってパスしたのでしょうか。彼は8年かかったのですが。
女…それはね、医師の国家試験というのはね……。
男…あっ、その話は、いいの、そういうことじゃなくて、問題は「幻のイセエビ」
女…いまや「幻」はアリガタミ言葉です。もうこれがついているだけで、うまいことになってしまうわね。
男…このあいだ「幻」のつくラーメン屋で食べたけど、オゲッとなるほどマズかったのに、いつも混んでいるんだよ。日本人の舌は、どうかしていると思うね。
女…「幻」がアリタガタミになったのは、日本人の舌がアジノモトのおかげで機械的な感覚になったからよ。もうアジノモトの味では反応しない、その味はアタリマエだ、ってことで、「幻」が登場したの。だから「幻」のラーメン屋はチェーン店でしょ。つまり「幻」のアリガタミがわかる人は、アジノモトを味わいつくした機械的な感覚のひとなのよ。だからね、なんどもいわせないで、まったくこのバカ男。アジノモトがもはや普通でアタリマエになった機械的な感覚がマスとして存在するわけよ。だから儲けるためにはそこをターゲットにアリガタミを売ることなの。わかった?
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