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2004/01/16

焼酎

女…焼酎は、女性のあいだでも、かなりのブームです。

男…焼酎ブームの動向は面白いね。これはラーメンとは対極にあるブームといえそうだし、そもそも日本酒イコール清酒という構造がおかしかったのだから、ブームというより、清酒に偏向していた日本酒が、本来の現実的な多様なカタチにもどる動きかも知れない。

女…では、焼酎ブームはラーメンブームと違って、荒野ではなく未来が期待できるということですね。

男…そう見ていいんではないかな。清酒は、そういう意味では荒野をつくってきたわけで、ラーメンと似ている。

女…清酒メーカーの戦後の躍進やナショナルブランド化には、アジノモトが欠かせませんでした。ということですね。

男…いまでも堂々と三増酒のたぐいが売られているし、それは三増酒として明確に区別されて売買されているなら問題にすることはないけど、表示も、わかりにくいし。

女…しかし、焼酎もブームで、ウンチクがすごいですね。

男…それは嗜好品につきまとう文化で、あらゆる酒がウンチクを飲むようなものさ。おれみたいに酔えばよい、アルコールならよいというひと以外はね。焼酎と清酒が基本的にちがう点は、文化的にという意味だけど、焼酎は自分で、いろいろと味を変えて楽しむことができることだね。材料にしても、いろいろ。飲み方も、いろいろ。女性に普及したのは、ジュースのたぐいで割って飲めるということも大きいだろうね。清酒は、アジノモトで均一化されて拡大したマーケットに、次は機械的な量産で対応していったから、飲む側の自由裁量の幅は狭いし、そもそも味覚の幅が狭いところで成り立ってしまったのだなあ。だから一方で地酒ブームというのがおきたわけだけど。

女…ラーメンや清酒には「カリスマ」といいますか評論家がいますが、焼酎にはいませんね。ナシでブームになった。

男…これはインターネットによる口コミも大きいし、これから評論家が出てくる可能性はあるけど、ラーメンや清酒のようなわけにはいかないね。カリスマが成り立つには、一見個性があって、だからウンチクも楽しめるけど、味覚の基本的なところでは無個性であるアジノモトで成り立ってきた市場でないと難しいと思うよ。個性的であることに慣れてない人が群がるのが、清酒でありラーメンである、というふうに言えるかも。いままでは。

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