朝めし
男…断っておくけどね、俺はラーメンが嫌いなのではなく、荒野をつくるだけのゲーム感覚のラーメングルメをいじめてやりたいだけなのさ。今朝も、その鋭気を養うために、朝めしをシッカリくいました。今朝は、めしと味噌汁と納豆だったぞ。納豆ってのはさあ、立派な食べ物だよなあ。江戸のビンボウ庶民も常食にしていて、いまでも食べられている。ま、江戸期の納豆とは違いがあると思うけど、食は、ゆっくり少しずつ変わっている面と、急激に大きく変わっている面、全国的に平均化されている面と地域的あるいは家庭レベルで異なる面、そういう総合なんだな。その一つだけを取り出して、ああだこうだ言っていると全体を見落とすね。
女…だから、なんですか。
男…だから、朝めしは大事、基本だということだよ。ラーメングルメにはわからんだろうがな。
女…朝めしというのは、なんとなくメンドウですよね。
男…だから、朝めし問題が大事なんだなあ。というのも料理、つまりめしのしたくと後片づけについて、料理は義務だとか、イヤ料理は楽しいものだし楽しくやれる、とか、いろいろ言われてきたけど、朝めしを考えると、そのどちらも当たってないような気がするし、そういう風に語っていたから、朝めしを食べる習慣が瓦解しているとも言えるんじゃないだろうか。
女…前の晩、コンビニで買ってきたニギリメシを食べますけど。
男…それでもいいんじゃないかな。朝めしは、なるべく家庭を出る前に家庭で食べる、そのことで1人暮らしの部屋でも家庭になるのだし、ましてや家族がいたら、どんなかたちでも何を食べてもいい、お茶を一杯飲むだけでもいいから、まずそういう習慣が基本になるというのが、すべての生きていくことに関わる一歩だと思う。
女…外食じゃ、いけないのですか。
男…1人暮らしで炊事設備がないとか、ときには普通ではない事情があって外食というのはありうるけど。気どるな力強く生きよう、ということであるなら、朝、まずはお茶の一杯でもいいから飲んで、「よーし、やるぞ」という気分になることではないだろうかと思うのだ。
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