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2004/02/26

もっとバスに乗りたい

昨日は、オモシロイことをした。

アヤシゲさんが田中小実昌さんのトレードマークである毛糸の帽子(実際に小実昌さんに借りてきたもの)をかぶり、かつて小実昌さんがエッセイに書いた、一日バスにのってフラリしたコースをたどる、ということをやったのに同行したのだ。

そのコースの全部ではないのだが、JR総武線小岩駅から(都バス、錦27、両国行き)錦糸町駅、錦糸町で大塚行き(都バス、都02)に乗って大塚へ、最後は大塚駅から(都バス、上60)で池袋東口終点、というぐあいである。

小実昌さんがエッセイに書いている場所や、テキトウな面白そうなところで途中下車して、小実昌さんを気どってポーズするアヤシゲさんを、おれが写真に撮る。もちろん、これはアヤシゲさんのチャントしたオシゴトで、ある雑誌の取材なのだ。

小岩駅発1時6分のバスに乗った。すごい混んでいる。「年寄りばかり」と口に出したおれは、じつはおれも60歳の年寄りだということに気づく。

しかし、小岩から錦糸町あたりというのは、都区内だけど、山の手線地域とは、まったく風俗がちがうねえ。それに、バスで移動すると、ふだん電車で移動しているのとはまったくちがう景色に出合う。おもわぬところに、大衆食堂を、たくさん発見した。バスで移動してみないとわからない、まだまだ知らないことがたくさんあるのだなあ。

ああ、しかし、疲れた。途中下車したりで、終点の池袋に着いたのは6時ごろだった。しかし、一日乗車券500円で、すごい充実感のあるアソビだった。

夜は濱田研吾さんの「徳川夢声と出会った」(晶文社)の、BOOKMANの会うちうちの出版記念飲み会、ああ、酔った酔った。

ああ、こうしちゃいられない。

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2004/02/20

納豆トースト

男…林真理子さんのエッセイに、たしか、彼女が密かにあこがれていた美人が、ある日トーストに納豆をのせて食べているのを見てガッカリして嫌いになる、というような話があったね。

女…ありましたね。なんに書いていたかしら。それが、どうかしましたか。

男…いや、今日の朝めしは、トーストに納豆をのせて食べたものでね、その話を思い出した。トーストに納豆のせて食べるのは、おれの場合、1962年に上京して住んでいた下宿でもよくやったよ。これが、けっこううまいんだよなあ。どうして、林真理子さんはガッカリしたのだろう。

女…納豆をのせたというのが、抵抗あったのでは? ブルーベリーあたりをのせるのなら、ちがっていたのでは。

男…けっ、どんな美人だってクソするのになあ。

女…だからといって、わたくしはクソする女です、という顔していたらイヤでしょ。

男…けっ、あんたは、そんな顔しているよ。だいたい、納豆とクソと関係あるのか。

女…それは、あなたが言い出したことでしょ。わたしは、クソする女だという顔してません。でも、トーストに納豆のせて食べます。うまいですよね~。

男…そら、クソする女じゃねえか。

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2004/02/17

牛肉と食育

男…しかし、アメリカ産の牛肉輸入の再開のメドは、まったくないね。いまのところ。

女…全頭検査を前提にしているからでしょうか。

男…それもあるね。昨年末、日本政府はBSE対策でアワテテ、全頭検査制度と一対の「牛肉トレーサビリティー法」を施行したばかりだから、いま全頭検査ではないアメリカ産を輸入すると国内の生産者からは反発が出る、これはヘタすると参議院選挙に影響するから与党としても身動きがとれない。

女…トレーサビリティーはタマゴにまで拡大するようですが。

男…バカげたことだよ。けっきょく日本は、戦前からの構造なんだけど、食糧生産にたかって、いろんな連中が儲けようとするから、国内産は高いものになり、どんどん消費者から遠ざかる。

女…たとえば一個のタマゴに群がって儲けようとする人たちが多すぎる、というような構造が、トレーサビリティーで、さらにすすむということでしょうか。

男…万事、そういうことだね。それにしても、日本産の牛肉をアメリカは輸入禁止にしているわけだけど、それもまったくおかしいね。

女…いつから輸入禁止なのですか。

男…アホ、知らんのか。たしか2年前かな、日本で狂牛病が発見されただろう、あれからだ。

女…それじゃ、日本がアメリカ産を輸入禁止しているのはアタリマですね。

男…だから、ようするに、消費者国民のことなんか、どうでもよい状態なのだよ。

女…日本の消費者は、おとなしいですから。

男…食べ物のことになると、あってもなくてもよいような知識のお披露目や、オシャベリばかりに元気でな。

女…やはり、「食育」でしょうか。

男…バカタレ、いま「食育」を叫んでいる連中に食育やらせたら、もっとおかしくなるぞ。なにしろ、えらい観念的な食育だからな。食については、観念的になってはいけないのだよ、より現実的な選択をしなくてはな。

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2004/02/14

経団連の奥田

男…さらに経団連の奥田のバカさ加減について、ツッコミをいれよう「(牛丼がなくても)死ぬわけでない」という言い方だが、「食は文化」という理解がなく「食はエサ」だと思っているあらわれだな。すくなくとも牛丼については、そう思っているということだ。

女…食は死なないためだけのものではありませんものね。人間らしい楽しみとか。

男…チェーン店の280円の牛丼には、それなりの楽しみや、愛着があるのだよ。だから、アメリカ産の牛丼がなくなるからといって、牛丼がなくなるわけじゃないけど、アノ500円玉一つあれば楽しめる幸せな気分になれる、それが当面なくなるから、惜しんでのお祭り騒ぎという面もあった。そういう庶民の感覚や文化を日本の財界首脳ともあろうものが理解する能力がない。

女…なにしろアノ、安いうまい牛丼は、日本の産業力ではなく、アメリカの生産者のおかげですから。

男…そもそも日本の財界首脳にとって、庶民の食べ物のなんか関心ないのさ。そういう指導者だから、日本の農業は、どんどん日本の庶民にとって役に立たない存在になっているんだなあ。

女…財界首脳は、安い牛丼のことはオレにまかせとけ、アメリカ産に負けない、安いうまい日本産牛丼をつくってやる、とかいえないのでしょうか。

男…いまの財界首脳なんか威張っているだけで、そんなチャレンジ精神なんかないのだよ。最悪だね。

女…やはりアメリカ産の牛肉の輸入再開でしょうか。

男…そうに決まっているだろ。国産なら安全で、アメリカ産だから問題、なんていう根拠は、どこにもないのだから。

女…しかし、アメリカは全頭検査ではないから、BSEの牛肉が入ってくる可能性がありますね。

男…おいおい、そういう可能性は、どれくらいの確率で、さらにBSEになる確率を計算してみろよ、安全性は、ほかの食品と同じようなものだよ。どうして、そういうふうに考えないのかねえ。それが「事実」なのだよ。安全度の違いは、ホンノ、天空の星一つの違いあるかどうかなのに、どうしてワザワザ高い牛肉を食べなくてはならないんだ。現実的じゃないんだなあ。

女…やはり経団連の奥田がバカだからでしょうか。

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2004/02/13

経団連の奥田

男…BSEの影響で、吉野家のほとんどの店で11日に牛丼販売が休止され、直前に客が「食べおさめ」の行列をつくったことについて、日本経団連の奥田碩会長は12日、記者会見で「(牛丼がなくても)死ぬわけでない。日本人は右から左へ早くふれやすい、単純な国民だと感じた」と、牛丼フィーバーをチクリと皮肉った。(毎日新聞)というニュースが流れたけど、奥田という男は、ココロの狭い男だね。

女…でも、フィーバーしすぎじゃないですか。

男…しかし、それをもって、「日本人は右から左へ早くふれやすい、単純な国民」というのは、どうかしているだろう。牛丼を愛している日本人は、たくさんいるんだよ。経団連の会長ともあろうものが、もっと大らかに庶民の祭り騒ぎをみれないものかな。

女…でも、これで牛丼がなくなるというわけじゃないのに。

男…でもな、280円で、あれだけ満足のいく料理はないぞ。それに、今回のフィーバーで初めて牛丼を食べてそのうまさを知ったという庶民の風上にもおけないやつが少なくないらしい。

女…奥田会長というのは庶民じゃないから、牛丼で騒ぐ庶民のココロはわからないということなのでしょうか。

男…日本人なのに日本人がわからん男さ。いまの財界首脳なんか、そんなもんだよ。庶民にとっての、280円の牛丼の価値なんかわからんのさ。

女…そういう人間が財界首脳というのは、どういうことなのでしょうか。

男…バカでもなれる財界首脳だから、庶民の不況は、いつまでも続いている。あいつらの肉は、牛丼にもならんよ、牛のエサにもならん。

女…生まれながらの狂牛病なのでしょうか。

男…経団連の会長は、吉野家の社長、日経連の会長は竹屋食堂のオヤジにしよう。

女…はあ?

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2004/02/10

「食育」ナンダロアヤシゲ

男…今日は、「食育」に関する原稿の締め切りがあって、無事に書き終わって納めたのだけど、食は、いま大変な問題をかかえているねえ。困ったことだ。

女…「食育」ってなんですか。

男…はあ、もう今日は説明するのもめんどうくせえ。とにかく「食育基本法」の成立は時間の問題だよ。

女…「食育」ってなんですか。

男…はあ、もう今日は説明するのもめんどうくせえ。とにかくナンダカアヤシゲなものさ。

女…ナンダロウアヤシゲなのですか。

男…そういうこと。けっきょく、とにかく、ま、ああ、今日はめんどうだ。食に関しては、グルメといい、評論家や研究家なる肩書の連中といい、まっとうなのがいないね。

女…はあ。あなたも?

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2004/02/06

武士道とめし

男…明治維新があって富国強兵の産業革命はあったけど、市民革命も文化革命もなく、むしろ逆に武士階級の道徳観や規律つまり武士道が、一般庶民にまで強要されたのが近代だった。それは国民皆兵ですべての男を軍人として、女は良妻賢母の軍国の母として育てるためだね。それで1970年代の前半になっても「男子厨房に入るべからず」「男が食を語るはみっともない」の風潮があった。

女…でも、おかげで日清日露では勝利し、日本は外国の侵略を受けずにすんだではありませぬか。

男…そんなこたあ一貫して政府の宣伝で、外国の脅威をどうみるかと、どう対応するかで、当時ですら政府や軍隊のなかで考え方はいろいろだったのさ。それなのに勝てば官軍、勝った勝ったで、「神州不敗」つまり天皇の国は負けを知らないなどと驕り、ついにこの間の大戦では外国に支配されることになった。

武士道の武士は再び破れ、で、武士道に殉じ切腹したひとも少なくはなかったけど、たいがいは「生きて虜囚の恥を受けず」なんていいながら生きて、なおかつ戦後において影響力を保持して、まだ政府の高官が「武士道」を説く始末。

しかし、武士道は、江戸期の武士階級のあいだで完成されたものだから、もともと食べ物は自分たちでつくるという自立の思想はない。誰かがつくったものを食べながらであろうが、外国の輸入に頼ろうが平気なんだな。無頓着なんだよ。いまの日本が外国の食糧に頼って平気なのは、そういう武士道の支配と関係あるかも知れない。だいたい武士道には、生産のよろこびとか生きるよろこび食べるよろこびなどないのだからね。

女…武士道と云ふは死ぬ事とみつけたり。

男…自己陶酔の極地だね。めしは、どうするのだ。

女…武士は食わねど高楊枝。

男…刀ふりまわす以外に能がない、だらしのない男の姿だね。本当に食わなきゃ死んじゃうよ。腹が減っては軍(いくさ)ができぬ。というのに。自分のめしのことぐらい自分でやる思想がなくては生きていけないのが現実だよ。だからな、今朝は、昨夜のおでんとおでんの汁をめしかけて食べたぞ、うまかったなあ。

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2004/02/04

武士道と日本料理

女…男はバカというかカワイイですね。「武士道」などと。

男…料理人にも日本料理は武士道だなんていっているのがいるよ。

女…庖丁を刀と間違えているのでしょうか。刀と庖丁の区別もつかないのでしょうか。

男…ま、ある種の自己陶酔だね。武士道自体がそういうものだから。

女…自分だけで武士道を楽しんでいるならよろしいでしょうが、周りをまきこみますからね。

男…はた迷惑なんか考えずに自分の美学に陶酔するのが武士道ってわけだね。それでまわりじゅうに迷惑かけて、自分は腹を切ればよい。ま、近代的な公共精神なんかないのですわ。

女…日本の公共精神の欠如、無責任は、もとをたどると武士道でしょうか。

男…武士道がないと戦えない男が軍人だったというのが、日本の悲劇でしょうか。

女…でも、日本の近代、明治維新は農民中心の近代兵制が武士道の武士を倒して生まれたはずですよね。合理的な精神の勝利だったのではないのでしょうか。

男…近代兵制は織田信長から始まっているよ。織田の鉄砲もった足軽部隊が、武田の侍大将部隊をやぶったところからだね。

女…それがまた、なぜまだ武士道なのでしょうか。

男…武士道にすがり刀ふりまわさないと自立できない男が、たくさんいるということだろう。

女…見世物的価値としては、あると思いますが。「ラストサムライ」も、なかなかのデキのようですし。日本料理の四條流のように、庖丁を刀のようにふりまわしてやる庖丁式なんてのも見世物的価値はあると思います。

男…武士道にすがり刀ふりまわし、注目されることで男をあげ、男として自立できるということかな。

女…日本料理の料理人が料理は武士道なんていうのも、料理で自立する精神がないからでしょうね。武士道にすがらなくてはならない料理なんて、情けない。

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2004/02/03

腹を立てると腹が減る

憲法に従って復興のために行くハズの自衛隊員に、「武士道の国の自衛官の意気を示して頂きたいと思います」(防衛庁 浜田靖一 副長官)とは。ナニ、コレ。いつから自衛官は「武士道の国の自衛官」になったのだ。「日本国憲法の精神にのっとり」でないとおかしいだろう、税金で行くんだぞ。小泉首相の説明すら、十分でないという評価が大勢なほど、まっとうでなかったのに。税金を自分たちの思想のために勝手に使うな!

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2004/02/02

朝めし

男…ああ、二日酔い。こういう朝こそ、熱いお茶です。

女…また、お茶ですか。

男…お茶です、しかも、ちょっと高めのお茶です。

女…高めのお茶というのは、どれぐらい高いのですか。

男…いえ、なに、100グラム1000円とか1200円ぐらいの。普段は800円ぐらいだけど、この差がハッキリあって、普段でも少しでも高いほうがよいのだけどケチして、二日酔いのときはチョットでも高いお茶のほうが効き目があるね。

女…コーヒーもよいですよ。

男…コーヒーでは口の中がスッキリしない、だいいち、前にもいったように、めしにかけられないだろう。二日酔いの朝は、お茶を飲むね、すると、なんとなく何か食べておこうかな、という気になるね、そしたら、茶碗にめしを少々盛って、シラスと味噌漬けきりざいをのせ、お茶をかけサラサラ食べる。これで、ぐんぐん身体が回復するね。コーヒーじゃ、そうはいかんぞ。

女…味噌汁は、ないのですか。

男…今朝はなかった。あとリンゴを食べたよ。これも二日酔いの朝には、いいね。

女…リンゴは買い置きですか。

男…リンゴとかミカンとかバナナとかは常備だね。これは花を飾るかわりに、ザルに入れテーブルの上に置いとくのだ。黄色や赤色は、食欲を刺激するし、なんとなく部屋も明るいかんじになって気分はよいし、花のように手間がかからないし、食べられるし、いいことづくめ。

女…しかし、やはりラーメンブーム、すごいですね。

男…アジノモトで味がわからなくなったやつが多いからね。ラーメン屋でお茶だすとこ、あるかねえ、ラーメングルメにはお茶の味わかるやついないだろうねえ。

女…またまた、そんなこといって、お茶だって、アジノモト混入があるでしょ。

男…お、おぬし知っているのか、でも、100グラム800円や1000円するやつには入ってないぞ。ラーメングルメは、安いアジノモト入りのお茶を出されると、「インパクトがあって、いいお茶だ」なんていうんだろうな、そのていどさ。

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