武士道と日本料理
女…男はバカというかカワイイですね。「武士道」などと。
男…料理人にも日本料理は武士道だなんていっているのがいるよ。
女…庖丁を刀と間違えているのでしょうか。刀と庖丁の区別もつかないのでしょうか。
男…ま、ある種の自己陶酔だね。武士道自体がそういうものだから。
女…自分だけで武士道を楽しんでいるならよろしいでしょうが、周りをまきこみますからね。
男…はた迷惑なんか考えずに自分の美学に陶酔するのが武士道ってわけだね。それでまわりじゅうに迷惑かけて、自分は腹を切ればよい。ま、近代的な公共精神なんかないのですわ。
女…日本の公共精神の欠如、無責任は、もとをたどると武士道でしょうか。
男…武士道がないと戦えない男が軍人だったというのが、日本の悲劇でしょうか。
女…でも、日本の近代、明治維新は農民中心の近代兵制が武士道の武士を倒して生まれたはずですよね。合理的な精神の勝利だったのではないのでしょうか。
男…近代兵制は織田信長から始まっているよ。織田の鉄砲もった足軽部隊が、武田の侍大将部隊をやぶったところからだね。
女…それがまた、なぜまだ武士道なのでしょうか。
男…武士道にすがり刀ふりまわさないと自立できない男が、たくさんいるということだろう。
女…見世物的価値としては、あると思いますが。「ラストサムライ」も、なかなかのデキのようですし。日本料理の四條流のように、庖丁を刀のようにふりまわしてやる庖丁式なんてのも見世物的価値はあると思います。
男…武士道にすがり刀ふりまわし、注目されることで男をあげ、男として自立できるということかな。
女…日本料理の料理人が料理は武士道なんていうのも、料理で自立する精神がないからでしょうね。武士道にすがらなくてはならない料理なんて、情けない。
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