アヤシイ雲行き
知らなかったが、京都の鳥インフレエンザ騒動で鶏舎の社長が逮捕された。これは、政府の言葉でも、あきらかに「見せしめ」である。では、死者もけが人も出ている、回転ドア森ビル社長は逮捕されるだろうか。されないだろう。「見せしめ」という脅迫的な手段は、強いものが弱いものに使うテである。
さらに問題は「見せしめ」の背後にあるものだ。「見せしめ」の脅迫は、力のあるものが問題の所在をすりかえ、責任や真実をはぐらかすためにも使われる。
カイワレ騒動のときは、どうであったであろう。あの原因は、いまでも不明だ。BSE騒動も政府は、全頭検査とトレーザビリティの導入で「解決」をはかり、原因を追究することはしてない。ほかにも、医療事故は山ほどあり直接の医師の逮捕はあるが管理者の逮捕はない、山ほどの警官の「不祥事」にいたっては「組織」ぐるみなのに幹部の逮捕者は出てない。いずれも原因の究明すらアイマイである。
おどろいたのは「自衛官天下り昨年度820件、他省庁全体を上回る」である。これについて、防衛庁は「他省庁に比べて職員数が多く、若年定年制のために多くなってしまう」と説明している。いつのまにか、それほどまでに、防衛庁が他の省庁の合計をこえるほど、つまり軍が民間に対して大きな影響を持つようになったのだ。もはや「軍事大国」である。「憲法改正」が勢いをもつのは当然だ。
そういう政府の体質と、生命や人権が軽んじられていることに関係するジケンの続出、ジケンのあと真相原因究明より、スケープゴートをつくり「見せしめ」という脅迫手段で切り抜けようとする手法、これらは「同根」一体のものではないのか。
| 固定リンク | 0
この記事へのコメントは終了しました。
コメント