大新聞は気楽だなあ
いまさら大新聞のマヤカシをあげつらねるのも大人気ないと思うが、読売の社説は、これが大人の書く社説かと思うほど、おかしなものだ。
4月9日付・読売社説 [3邦人人質]「卑劣な脅しに屈してはならない」というタイトルで、このようなことが書いてあった。
「昨年のイラク戦争の直前から、外務省は渡航情報の中で危険度の最も高い「退避勧告」を出していた。三人の行動はテロリストの本質を甘く見た軽率なものではなかったか。」
イラクには、たしか600人ぐらいの日本人がいるはずだ、そのうちのこの3人がテロリストの本質を甘く見た軽率をしたという根拠を大新聞の社説を書く人間は把握しているのだろうか。もっとも、この文章は、卑劣にも、「ではなかったか」と、例によって疑問のカタチをとっている。が、そういう予断をし、この3人の犠牲は仕方ない、という世論をつくろうということなのだろう。軽率をした人間だから、殺されてもよい。よく実態把握もしないうちに、そう読売の社説は、いっているのである。
続いて、こう書いている。
「今回の事態がもたらした状況は、国際社会の中で日本が果たすべき責務としてイラクで繰り広げている復興支援活動を、結果として妨げることになる」
これは大笑いだ。卑劣ということなら、ブッシュのやり口も卑劣だったし、もともとこの戦争は卑劣漢どもの戦争なのだ。いまもって、なんの大義名分もない。そこで「国際社会の中で日本が果たすべき責務」なんていうことじたい、卑劣なマヤカシの論理だ。テロリストの卑劣も読売の卑劣も、人権無視人命軽視ということでは同等だろう。読売は「人質救出」には、まったく関心がないようだ。邪魔なゴミ扱い。
それほどこの戦争における「国際社会の中で日本が果たすべき責務」が大事なら、うしろで、「卑劣な脅しに屈してはならない」といっていないで、つかまった3人の身代わり人質にでも出向いたらどうか。さしあたり、小泉さんと公明党の神崎さんと読売新聞のナベツネさんあたりの3人が、仲良く身代わり人質に出向くのが妥当かと思います。
「毅然」ということを強調しているが、毅然をいうなら、メキシコを見習うべきだろう。
しかし、大新聞は気楽だよなあ、こういう質の悪いことをいっていても、問題にならないのだから。これが食品メーカーだったら大変だぜ。
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