ああ、ビンボウ人
女……あなた、昨日はつっこまれてましたね。
男……あははは、せっかくコメントの機能があるのだから、つっこみでもなんでも言ってもらうのはうれしいね。と、書くとおれはエンテツのようだけど。
女……やはり一日一話で完結じゃないといけないのではないでしょうか。
男……あの、それはエンテツの問題でね、あいつはイイカゲンな男だから、そういうキチンとしたことができないんじゃないのかなあ。いつも過程で結果のない男なのだよ。
女……それにしても、話が「快食快便」というより「美味求真」に偏っていたようですね。
男……そんなことはないと思うけど。それに「生活のなかの美味求真」というのは、必要なんじゃないの。「美味求真」は、とかく趣味や娯楽というかんじだけど、生活のなかでこそ追求すべきだと思うね。そのためには、味覚の固定観念から解放されている必要があるんじゃないだろうか。
女……でも、タイの刺身など、めったに買えないです。あれは生活のなかの美味なのでしょうか。
男……そりゃ、あんたがビンボウ人で、あんたが買いに行くようなスーパーにはタイの刺身が売っていないというだけの話でしょ。あっても安い養殖モノだとか。
女……わたしは、どうせ魚沼のコシヒカリも食べられない家計で暮らしています。
男……だからさ、あんたのような都会のビンボウ人は、ドコソコのナニナニがうまい、とかいう素材中心ではなくて、あるものをうまくでやればいいんだよ。料理は、そういう貧乏食通が育てたものだし。
女……でも、そうなると、ダシなどは粉末やダシの素をつかうということになっちゃいますね。カツオ節など高嶺の花だし、雑節も煮干も、いまではけっこう高くつくものになります。醤油だって、あなたがダメとおっしゃる、Kのイチバン安い、粉大豆原料の添加物入り速成醤油ですよ。ふん。
男……まあまあ、そういうことじゃなくて、それでも台所で、どうせならうまいものと思うでしょ。
女……そりゃもちろん。でも、素材や材料が悪ければ、うまいものなんかできっこないんでしょ。
男……だから、そういうことじゃなくて……。
って、今日も、ここで終わってしまうのだった。
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