栄養教諭と食育問題
世間が、ならずもの大国アメリカの虐待問題とテレビ芸能界レベルの政治家の年金未加入未納問題で騒いでいる間に、「栄養教諭」が決まってしまった。
そもそもが、すでに何回も言っているとおり、食の問題は、食事と料理を、栄養と躾や作法と味覚に矮小化してきたことに問題があるのにもかかわらず、その原因の制度化をさらにすすめようというのだ。これは日本の食文化の一層の混乱を招くだろう。
すでに長いあいだ「家庭教育」に君臨してきた「家政学」や「家庭科」の反省も改善も検討せずに、つまりその責任はほうかむりしたまま、ただただ「食の乱れ」をあげつらね、栄養専門学校を出た知識ていどの人間を教諭にしてしまう制度として発足するのだ。それ自体が、食の軽視ではないか。だいたい「学力低下」を食のせいにするなんてのは、かつてコメを食べ過ぎるとアタマが悪くなるといって「食の乱れ」を招いた栄養学そのままの低脳レベルじゃないか。こういう連中が「食育」を支配するのである。
ま、これは、夏の参議院選挙むけの与党の選挙対策として、「食育」の内容も検討せずに大急ぎで決めたことである。いままでだって、食を、いろいろに目先の選挙対策に利用してきた。そういうことなのである。このように、食を政治に利用する政治家そして栄養士の団体や学校を、いまこそ記憶に留めておくべきである。
見よ「栄養士議員連盟」だ。こういう連中に「食育」をまかせてよいのか。
http://www.seiji.gr.jp/kumamail/kumamail55.htm
見よ「日本栄養士会」だ。こういう連中に「食育」をまかせていいのか。
http://www.dietitian.or.jp/topics/topics031108.html
こういう疑問や意見もある。
栄養教諭の創設by瞑想的生活
http://harikyu.txt-nifty.com/kashima/2004/01/post_13.html
栄養教諭の恐怖by極東ブログ
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2004/02/post_50.html
栄養教諭はどうなるんだろうかby雑想雑思
http://utebahibiku.seesaa.net/article/125084.html
食育-栄養教諭byねこブログ
http://neco5959.exblog.jp/201883/
おれは、前から、極少数派の「食育反対論者」
ザ大衆食「食育ナンダロ…1」
ザ大衆食「食育ナンダロ…2」
続きも書くつもりなのだけど……。なにしろ「食育基本法」は、そもそも自民党の食育調査会は、トップは男だったが、メンバーは女性議員を集めてスタートしたのだぜ、「食事のことはオンナ」そういうアタマのものなのだ。だけど反対の政党は、ない。みなさん賛成。
現状をみれば、ナイよりマシ、ということなのだろうが、ホントにそうなのか。ナイほうがマシではないのか、アノなんでも栄養に還元し、生理学者でもないのに生理学的理論をふりまわし生理学者のようにふるまい、人間の食を生理と栄養に貶め、食の文化を理解しようとしてこなかった栄養士たちを、これ以上はびこらせていいのか。
彼らのアタマは、ネコやイヌの上手な飼い方と同じていどにしか、人間のことを考えられないのだ。そういう連中をこれ以上はびこらせていいのか。もうウンザリだ。
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コメント
最近、頭のいいこ、要領のいい子がふえてきたことを考えます。利用できるもの、利用できないものの区別、差別がふえています。食事にも同じことが言えるのではないでしょうか。簡単作れて味の濃いものを好みます。逆にめんどくさかったらいらないとか作られたものを好む。この子ども達の親についても同じだ楽を好み苦労をしようとしない。その結果が生活習慣病の増加だ。わるいとわかっていても食べる。一時的な喜びのためだ。長生きがなんでよいのかわからないのだ。自分もわからない。そのためそのときがよけれべいいと思う考えだ。政治家も同じだ。そうしないと今の世は渡っていけないのか?まず、健康に値段ををつけ健康嗜好になればよいと思う。学校に栄養教諭をおいたこと正解だ。しかし、これを進め方によっては文部省がおいやられる可能性もあるだろう。子どもは大いなる武器となり、どちらにも攻撃するのだから。まー栄養士の地位が医者と同じくらいになれば、食の大事さがわかるかな。栄養教諭期待します。
投稿: 食事考事 | 2004/07/14 10:55
トラックバックありがとうございます。
確かに日本の食文化の全体的な質は下がっていて、そういう意味では栄養教諭なるものの価値はあるかと思います。
しかしその反面、日本人の食生活に危機意識を持って意識的な人も大勢います。はたして栄養教諭のすることが、そういう食文化に意識的な人を納得させられるだけのことができるか?というと、まあ無理です。
それに加えて文化のグローバル化にどう対応するのか?というのもあります。栄養教諭が食事の内容だけでなく食べ方を問題にするのであれば、いろんな国の子供たちが日本の学校に通うようになって、どういう食文化の教育をするのか?おとなりの朝鮮や中国の人と比べてみても、食べ物を茶碗や皿から口へ持っていく所作といったことから違いますからねえ。
投稿: 瞑想的生活 | 2004/05/17 20:14