有元葉子さんのオコトバ
『有元葉子の料理の基本』幻冬社
「料理は答えがひとつの計算問題ではなく、いくつもの答えが出てくるゲームです。」
「味つけにしろテクニックにしろ、私や私の家族にとってのベストが、べつの誰かとまったく同じということはありえませんから。」
「あなたらしい料理を作ることを楽しんでください。」
……料理は私小説、のようなもの、か?
「料理はハプニングずくめ。同じものでも作るたびに仕上がりも違えば、焦げたり辛すぎたり――すんなりトラブルもなくできるなんてことは、まずないといっていいでしょう。ただし、はじめからそう肝に銘じてかかれば、これほど楽しいゲームはありません。いうなれば、先まわりして待ち構えている状態。何が起きても、そのハプニングを楽しんじゃおうという気持ちでいると、土壇場でいいアイディアが浮かんできたりするものです。」
……「料理」を「人生」や「仕事」におきかえても、よいような。
「一年の半分近くをイタリアで暮らすようになって数年。イタリア人というのはつくづく、レッテルを貼ることも貼られることも嫌う人達です。」
「レストランにしても、誰が食べても最高のリストランテがトラッテリア(大衆食堂)の看板を平然と掲げていて、」
……おおっ、すばらしい! 日本人は、決め付けてレッテル貼るの好きだし、勝手にレッテルを貼っていて、そこからはみ出すと非難する。かつレッテル貼られてアンシンするし、イメージのよいレッテルを欲しがる。近年は「大衆食堂」というレッテルを嫌い「定食屋」というレッテルを選ぶ連中もいるね。
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