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2004/10/14

いかがわしいオトナになるための「大衆食堂の研究」

『本の雑誌』1999年1月号、「特集 1998年度ベスト10」のなかの「読者が選んだベスト1」に『大衆食堂の研究』が登場する。

そーいや、最近、食堂に行ってねーよな。殊に大衆食堂は。でもね皆さん、やっぱ行かにゃいかんですよ。私、この本読んでそう思いましたよ。著者によると、東京の食堂とは「いろいろな料理を提供する店」で、たたずまいがいかがわしく、開き直っている所だ、というんですよ。そうだよな。そうだよ、いかがわしいんだよ。食堂って。どこへ行っても女子高生の声ばかりする食い物屋だらけの中で、このいかがわしさが大事なのよ。

また、この著者の自信たっぷりの強気の文体もいいなぁ。なんか”男の文章”て感じで。丼飯のように腹にドシンとくる。この本は題名だけ読むと、B級グルメガイドみたいだが、そんなチープな本ではない。街の中でオトナが正しく生きる為の書だ。私も食堂へと勇気を持って足を運び、正しくいかがわしいオトナになることを心に誓うのであった。完。


末尾に(大方直哉・日本一の男の中の社員32歳・仙台)とある。この方が、選んでくださったのだ。

いやあ、これは、うれしかった。しかし、「強気の文体」も「男の文章」も、けっこう嫌われるのですね。「いかがわしいオトナ」も、嫌われるのですね。そして、無難にコギレイで個性も独自性もない、女性や隠居老人に受けるヤサシイ、チープなB級グルメガイドが売れるのですね。

いいじゃ、ありませんか。嫌われてもいいね。「いかがわしいオトナ」

ということで、売れない買えないタダで読める『大衆食堂の研究』復刻HTML版、「自立編 オトナの道」の一部を、またちょっとだけアップしましたよ。
http://entetsutana.gozaru.jp/kenkyu/kekyu_index.htm

仙台の大方さん、その後、「いかがわしいオトナ」になったであろうか。

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