納豆カレーの怪。日本人は目で食べる。か?
食エッセイに、「日本人は、蕎麦が好きだ」式の文をみかけることがある。「日本人は、××だ」式のものは、上っ面だけの話で、思考の浅いことがおおい。似た例で、「日本人は目で食べる」ということは、むかしからよく言われてきた。これは、ちょっとオカシイ。間違ってはいないかもしれないが、かなり正確を欠いている。
はやい話、ナニ人だって、目で食べるだろう。それぞれの盛り付けがあるし、色の好き嫌いもある。カタチの好みもあるようだ。美意識や美感覚、表現方法やこだわりなどが違うだけなのだ。
「日本人は、××だ」式の言い方をすれば、「日本人は、箱庭的な小細工が好きだ」ということである。小細工のきいたものを「美しい」と思う。できたら、そこに自然が盛り込まれていることである。そういうものを楽しむことを「日本人は目で食べる」と言っている。
思想や抽象が盛り込まれた料理は苦手、理解の範疇外である。つまり、見た目やイメージが具象的で「繊細」であるかどうか、大いに関係する。カタチの詳細が明快なほど、よろこばれる。でないと、近寄りがたい抽象と思われ敬遠される。自然が盛り込まれているとヨロコブのは、自然を愛しているからではなく、それが身近な具象であるからにすぎない。
ってことで、納豆カレーが気持ち悪いといわれたりするのかな。だけど、うまいものはうまい。ボールチェアから眺める世界「納豆カレー」を読んで思った。
http://style4.air-nifty.com/ballchair/2004/10/post_4.html
そういや政治も行政も見た目や小細工が多い。
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コメント
どうも、ご丁寧に、コメントありがとうございます。
ちょっと納豆カレーが気になっているもので、
トラックバックしてしまいました。
納豆カレーってのは、ま、大豆カレーですからね、うまくてトウゼンなのだけど、気持ち悪くて食べられないひとはカワイソウ。
投稿: エンテツ | 2004/10/22 23:18
トラックバックありがとうございます。
私も小細工は好きな日本人ですが、
食べ物で一番大事なことはやっぱり美味いかどうかですよね。
投稿: sumito | 2004/10/22 12:15