食堂のゴキブリかよ
トツジョ登場し話にわりこんできた、アナドレ氏は言った。知ってますか? これどう思います?
おおっ、『東陽片岡哀愁劇場』(青林工芸社)ではないか。
知っているとも! エンテツは叫んだ。のち猪口の酒をあおった。
いえいえ、この本のことではなく、このなかのココですよ、ホラ。アナドレは、指さした。
「テメーらちゃんと食えよなコノヤロ」で、食堂のオヤジと客と、一年中さるまた一丁の愚痴聞き屋のオヤジが、カウンターをはさんで話をしている。
食堂の客が、「大手チェーン店の厨房に比べりゃかわいいもんよ、ここは。」といっているコマ。ゴキブリのことである。大手チェーン店の厨房に比べれば、町の食堂の厨房のゴキブリなんか「かわいいもんよ」という。つぎのコマでは、「チェーン店の、ゴキブリホイホイを見たら、料理に入んない方が不思議なくらいだぜ」
コレ、本当ですよね。アルバイトしていたことあるから、ワタシよく知っています。アナドレが言う。本当のことなのに、どうして、こういう漫画の話にはなって、カンジンなグルメや評論家は知らん顔しているのですかよ。
エンテツは黙ったまま、例の日本人のアイマイな笑いで応えた。そして猪口の酒をあおった。
ほら、そのあとのコマにあるでしょ。「知らないってのは、幸せなんですなあ」「そう、それが一番いいの」
日本人は、イマ一番幸せなのだ。
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コメント
いまや都心のビルは見た目キレイで清潔そうでも、ネズミとゴキの天下で、これはもう決定的な対処のしようもなく、仲良く共存というところでしょうか。
比較的最近、表参道近くの某有名シェフのフランス料理店で、ま、私もときにはツキアイでそういうところへ行くわけですが、食事をしていたら、部屋のすみをネズミが走っていきました。あれだけは、腕のよいシェフもお手上げでしょう。
投稿: エンテツ | 2004/10/13 09:13
秋葉原の某中華料理店(一部で有名)ですが、叉焼飯が食べたくて入りました。香港風の叉焼飯(香港では麺・粥と書いてある店で食べられるもの)がたべられるだろうと思い入りましたが、店の中の状態も香港下町風。長年積み上げられたダンボールを彼らが走り回る中、注文した叉焼飯をほおばりました。結構こういうのは平気なほうですが、味の記憶はありませんでした。早く店を出たいと思ったことだけ覚えています。
数年前に店はきれいになりました。香港下町風のメニューが写真つきで店の前に張り出されて魅力ですが、まだ入ったことはありません。
投稿: Take | 2004/10/13 00:47