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2004/12/18

ちくわぶとフランス焼酎

「ちくわぶ」が、気になる。神戸の幻堂百年祭の飲み会で、中野りうしさんが、「あんなにうまくないもの、あれはなんですか」ときた。12月13日の日記にも、「なんつーか、とにかくまずい物」と書いている。
http://geocities.yahoo.co.jp/dr/view?member=riushishishi

ちくわぶは関西人にとっては縁遠いものなのだが。アレは、うどん粉のカタマリなのです。アレがないおでんはおでんじゃない、と、関東人はいうぐらい、関東人の食べ物なのです。アレはね、アレにだし汁がしみこんだところがうまいのですよ。とか、ああでもないこうでもない、ウンチクをかたむけた。

しかし、よく考えると、アレは不思議なものである。「ちくわぶ」は漢字じゃ「竹輪麩」であるが、竹輪でも麩でもない。もっとも作り方が何種類かあるようで、なかには、麩であるものもあるし、かつて1970年代に見学した工場ではすり身をホンノ少しくわえていたから、竹輪の仲間ともいえないことはないかも知れないが。でも、おでんのタネにするアレは、基本的には、うどん粉のカタマリ、堂々たる、関東の粉物なのだ。スイトンの仲間といったほうが現実的だろう。

そして、あのようなうどん粉のカタマリは、粉の質がものをいう、と思う。讃岐うどんのように、のどごしのよさで食べるものは粉の質は、さほど問題にならないだろう。実際、のどごしをよくするためにうどん粉以外のまぜものをしている例もある。しかし、ちくわぶは、まさにうどん粉のカタマリをかじるのだ。と、讃岐うどんを貶めたい気持がわくのは、自分が関東夷だからか。

と、いうことを考えていたら、ちくわぶが食べたくなって、昨日は東日暮里の「遠太」で飲み会があったので、そこへ行く前に、遠太までは歩いて行くことにして鶯谷の「信濃路」でおでんのちくわぶを食べた。食べながら気がついたが、自分でおでんをつくるときには、ちくわぶを入れたことがないのだ。おれは、それほど、ちくわぶを愛していなかった、ということなのか? 関東の粉物として、もっとちくわぶを探究してみようと決意する。

遠太は満席の盛況であった。そこでの飲み会で、チョットだけ話題になった、焼酎。散歩の達人ムック『東京手みやげ案内』で、小沢剛さんがオススメのフランス焼酎の「パリ野郎」。フランス製の焼酎があるとは知らなかった。これはボトルのデザインもよいし、写真をよく見たら、甲類焼酎である。どうやら質のよい甲類焼酎のようだから、手みやげではなく自分用に、ゼヒ買って飲んでみたい。

そのムックで、大沼ショージさんが、南千住の「パワーブレンド」のたこやきをオススメしているのには、笑ってしまった。大沼さんのことだから、大真面目なのだろうと思うが、愉快。デカデカと写真まで載っている。今年もあとわずかだから、どうやら「パワーブレンド」のたこやきを食べないうちに、今年は終わりそうだ。

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コメント

Takeさん、イマは同じ生産設備かどうか知らないのですが、戦争直後は同じ設備でイロイロなものをつくっていたようですね。

いまでも知らないメーカーのソーダがありますが、レトロといえばレトロな、そのアヤシゲな雰囲気も楽しい。

何か数種類のエキスを混ぜ込んだような味わいの、「ハイボールの素」とか、あまり聞いたことのないメーカー名のソーダとか、けっこうあったようです。

ちょいとラムネの味に近いような、ほのかな甘味のあるソーダで焼酎を割って、「特製ハイボール」とか、その名残は下町の酒場にあるような気がします。そもそもラムネをチェイサーにしている酒場も、たしか、ありますね。

酒屋をのぞいたことがないのですが、一般小売もしているのかどうか。大いに探検してみてください。

南千住駅周辺は再開発工事が進行中で、古い酒場は閉鎖になるところが多いので、早目のほうがよいかも。

投稿: エンテツ | 2004/12/21 12:13

同じ生産設備でできるんですか?

下町のラムネ製造メーカーの多くがハイボール用のソーダとかやった話を読みました。千住・三河島方面の大衆酒場ではいろいろなメーカーのソーダが出てくるみたいですね。今度探検してこようと思ってます。

投稿: Take | 2004/12/21 03:19

Takeさん、小学校の同級生というと、ご近所ということですか。いいですねえ。豆腐屋さんは、けっこう街中で見かけますが、コンニャク屋さんは少ないし、ちくわぶもつくっているとは。

北浦和にも数年前までコンニャク屋さんありましたが、コンビニになってしまいました。

東京の古いコンニャク屋さんなら、戦争直後のころは、アイスキャンデーも作っていた可能性があるかも。

投稿: エンテツ | 2004/12/20 11:11

そういえば、小学校の同級生の女の子が「こんにゃく」「しらたき」の製造をしている工場でした。たしか、「ちくわぶ」も作っていたと思います。いまでも製造をしていますが、大手メーカーがあまり参入してこないジャンルなのでしょうね。もう表通りはマンションだらけですが、裏道では40年前と同じに大量の湯気と水の流れる音が響いています。がんばってほしいですね。

投稿: Take | 2004/12/19 18:53

私も「ちくわぶ」大好きなんですが、あれはやっぱり関東人の感覚なんですか。

私も大阪に行くと、関西の感覚にびっくりしますが、そういうもんですね。

まあ、いろいろあるから面白い。

投稿: Take | 2004/12/19 18:47

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