悩ましいB級グルメ本とラーメン本
はくぶんさんが最近のコメントで、B級グルメ本をリストアップしてくださった。どうもありがとう。
転記すると。
東京B級グルメ
世紀末大東京遊覧
B級グルメの冒険
セイシュンのB級グルメ(1988)
B級グルメの基礎知識(1989)
B級グルメの東京自由自在
B級グルメの東京一番しぼり(1990)
B級グルメの半日散歩(1993)
B級グルメのこれが美味しい!(1993)
ベストオブラーメン(1989)
〃すし(1991)
〃蕎麦(1992)
ベストオブ丼(1990)
こうやって見ると「B級」の「単品グルメ」は、1990年代から盛んになったことがわかる。悩ましいことに、しだいに細分化され、かつ出版社やライターにとって市場性のある分野だけが「グルメ本」になる。こうなるともはや食文化の「全体像」とは無関係にカテゴライズがすすむ。食文化とグルメの分断、食文化の凋落とグルメの躍進!という関係が、そこにはある。
でも、ラーメンやカレーライスの「グルメ本」は、もっと前から出ていて、それらがB級グルメ本ブームへの流れをつくっていった。といえるかな。
とりあえず、思いついた「ラーメン本」二冊。
「なるほどザ・ラーメン」 林家木久蔵著 かんき出版 1981年12月
「ラーメンの本 人生を10倍たのしくする」 全日本ラーメン同好会著 双葉社 1982年12月
どちらも、ただラーメンが好き!で楽しんでいるという感覚が、のちの情報通あるいはゲーム感覚の「B級」とはちがう。過剰な表現も少ない。ま、「グルメ」も始まったばかりで、素朴だったということか。そういえば、千駄ヶ谷に住んでいた1980年中ごろ、代々木駅の近くに木久蔵ラーメンがあって、ときどき食べた。どんなラーメンだったか、忘れた。木久蔵ラーメン、まだあるのだろうか。
ラーメン本といえば、たしか1960年代の前半にカッパブックスから、出張かなにかで全国のラーメンを食べた人の本が出たはずだ。これがラーメン食べ歩きの本としては最も古いほうではないかと思って調べたが、まだハッキリわからない。
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コメント
どーも、はくぶんさん。
おおっ、まだあったのですねえ、代々木の「木久蔵ラーメン」
ちょいと、もう20年ぐらいたっているから、昔とは違うような気もするけど「ラーメン党」の行灯は、変わらないような。
「B級」は、とくに90年ごろからこっち、「B級」とついていれば売れるというアリサマで。まだそうなのかな? 「B級本」を、はくぶんぶんせき室で収集分析したみたらオモシロイかも。
投稿: エンテツ | 2005/03/17 23:20
木久蔵ラーメンはまだ代々木にあるそうです。
http://portal.nifty.com/special05/03/11/
文庫シリーズに追加です。
B級グルメのおいしい銀座(1991)
B級グルメのおいしい銀座2(1992)
というのもありました。韓国、台湾のものまでも存在しました。
投稿: はくぶん | 2005/03/17 20:17