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2005/10/06

ジャム&マーガリンは青春おげおげ

町のパン屋では、コッペパンにタテにナイフをいれ、バターやジャムをぬって売った。もちろんバターというのは、マーガリンのことだ。バターを1個とジャム1個を買って、その片切れづつをあわせて食べると、マーガリンとバターの味がまざってうまいということは、誰にも教わった記憶がない。でも、いつかやっていた。

高校では昼休みになると、町のパン屋が売店を出した。そこでは、食パンにマーガリンやジャムを塗ったのを、サンドイッチと称して売った。そのころは、バターといわずにマーガリンになっていたと思う。ほかにピーナッツバターが人気だった。1960年前後のこと。細かいことは忘れたが、そのマーガリンとジャムを買って、一枚ずつはがし、片側マーガリン片側ジャムに重ねあわせなおして食べた。

山岳部だったから、登校するとまず部室に寄り弁当箱などを置いて教室へ行く。3時限の休みに全速力で部室にもどり弁当を食べる、そして4時限が終わって昼休みになると売店でパンを買って部室にもどり、そのように食べる。シアワセだった。

1年の山岳部夏山合宿は、苦しかった。上級生の判断ミスもあって、おれたちボッカ役の1年生は無理な重量を担ぎ上げることになり、あまりに重過ぎて、初日にベースキャンプを設営する予定の9合目まで到着するどころか、登山口の集落にたどりつくのがやっとだった。翌朝、午前3時ごろ起き食事をして集落をたち、2合目の水場で軽く食べた。あとは7合目まで水場はない。まだ朝露が残っている時間だったが、もうかなりバテていた。そのとき、食パンにマーガリンをぬって、その上からジャムをぬって食べ、湧き出る清冽な水を飲んだ。まさに生き返る気がした。その味、水の味まで、いまでもくっきり身体に残っている。ときどき、おなじ時間におなじことをやりたいと、狂おしいほど思うことがある。

その日は、それから蒸し風呂の木のトンネルの尾根道を、這うような登山だった。足元がやっとみえる状態のなかで、7時すぎに約1900m地点9合目のキャンプ地に着いた。2年生3年生は、それぞれちがうコースから、その日先に到着して、すでに前日到着しているはずの1年生がいないので、探しに下るところで行き会った。おれの背中は、背骨を中心に皮がペロリはげていた。

ということがあったりしたせいか、店先でヤマザキのコッペパン、ジャム&マーガリンを見ると、ときどき買ってしまうのですね。「超ロングセラー商品」という印刷があるが、どれぐらい続いているのだろうか。ま、おれの人生じゃ半世紀は続いているか。

包装の裏には、例によって原材料名が。小麦粉・いちごジャム・マーガリン・砂糖混合ぶどう糖果糖液糖・ショートニング・脱脂粉乳・ぶどう糖・イースト・食塩・乳化剤・イーストフード・VC・酸味料・調味料(アミノ酸等)・香料・アナトー色素・ゲル化剤(増粘多糖類)・甘味料(ソーマチン)・(原材料の一部に大豆・りんごを含む)。なんだろ、おげおげ。

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コメント

高校生のころは登山用語というとドイツ語が多かったので「ボッカ」も、なんとなくドイツ語と思っていました。
まあ、しかし、肉体に苦痛を与えれば強くなるという考えもあって、ワザワザ重くするようなことがありました。

登山口から九合目まで標高差1300ぐらいでしょうか。
8月上旬の蒸し暑い最中の尾根登りですから、苦しいのなんの。
根が鈍感野蛮にできているせいか、元気にすごしていました。
たいがい1年生は、3日目か4日目に辛くて泣くのですが、ワレワレは初日から酷かったので、おかげで涙が出ませんでした。

が、下山のときにベルトの上の背骨がでっぱっているあたりが裂けて口があき、うんでしまいました。
直ってからも、ずっとそこがタコのようになって、自慢でしたが。
いまじゃ、ただの飲兵衛ジジイのゆるゆる背中です。

投稿: エンテツ | 2005/10/06 17:48

いやあ。懐かしい言葉です。「ボッカ」。

日本山岳辞典に欠かせないですね。ポーターとか強力の修行をして、初めて登山をさせてもらえる。

1900Mまでの荷揚げは結構きつそうですね。皮が剥がれたエンテツ少年は、その後の合宿では元気だったのでしょうか?

投稿: pfaelzerwein | 2005/10/06 16:09

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