ゴボウ
ゴボウは、例によって一年中あるが、もともとは秋のものだ。いまがシュンというわけだ。おれがガキのころは、そうだったね。
先日年寄りの家に行ったとき、とれたてのゴボウをもらってきた。炊き込みまんまにして食べたら、イイ香り。しかし、ゴボウの味を判断するのは、ムズカシイ。どういうゴボウがイチバンうまいかといわれても、土地によってズイブン味がちがうし、アクのぬきかた料理のしかたで、かなり味がかわる。
それはともかく、流布されているところによると、ゴボウの原産地は不明で、しかも例によって日本には中国から渡来したことになっている。しかし、中国では、ゴボウを食べない、すくなくとも中国料理と称するものにゴボウはつかわれてないことになっている。
このあいだ知人と飲んだときにその話になり、あれは掘るのも大変だし、ほかに食べるものがあれば後回しになるものだよなあ。ってことは、日本は食べ物が乏しかったということになるか。しかし、渡来のものなら、栽培種として渡来したはずだろう、野生のものをメンドウして掘って食糧にしたのとはちがうだろう。
でもな、渡来したけど、そのときは、ほかに食べるものがあって、ほっておいたら野生化し、けっきょくメンドウして掘って食べることになったのかも知れないぞ。ま、とにかく、石油がなければキュウリ一本食べられなくなる日本は、根本的に貧しいのさ。
しかし、あのゴボウというものは、うまいものなのか、あんなものワザワザ栽培して食べるようなものじゃないと思うぜ。いや、あれはあれでうまいさ、だいたいねゴボウのないけんちん汁なんか考えられないよ。
とか、酔って、いい加減のことを言ってすごしたのだった。
とにかく、ゴボウの炊き込みまんまを食べたら、ああ秋だなあと思った。古い男でござんす。
結論は、ない。
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