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2005/11/07

せんじがら、いりかす、あぶらかす、みやさん食堂etc.

そうそう、先日サイト読者のタカスさんからメールがあったのでした。タカスさんからは、ときどきメールいただいています。今回は、約、こんな内容。

10/28「油揚を食べる話」遅ればせながら読みました。
3~4週間前、広島の知人から「せんじがら」を購入。
食べた事ありますか?

牛/豚/馬それぞれの脂を取った後、または食用から外されたモノに
味付けし軽く揚げたような状態。
食感は、ビーフジャーキーのようでモツ臭さは少ないです。
おでんにぶっこんでおいても出汁が出そうですし山口県の東側の方では
大根とこれ(この地では いりかすと言うらしい)を醤油などで味付けし
食べるということもやってるよう。

旨味調味料もしっかり使われ後々咽が乾きますがやめられませんが(笑)

御参考まで
http://www.sempuku.co.jp/sagaseru/shop/shop_hiroshi/nishiku/nishiku_6.htm


このご参考までをクッリクすると、みやこ食堂だった。うーむ、そそられる佇まいだねえ。
返事を書いた。ときどき見ているサイト「はる書房」のブログ「神田の空」の9月12日に「「あぶらかす」と食育」があって気になっていたので、この「あぶらかす」は、タカスさんの「あぶらかす」と同じものだろうか、それから、みやこ食堂には行かれたのか、という内容。
タカスさんから返事があった。
「あぶらかす」については、こんな話をいただいた。


牛なら牛、馬なら馬、豚なら豚となっており混ざってはないようです。

広島には「ホルモンの天ぷら」なるものもあり各自がテーブルにおかれてる
庖丁とまな板を使いカットし食べる、というモノ/スタイルもあるようです。
鷺宮の広島風お好み焼き屋で食べられるらしいのですが広島でもこちらでも
まだ未食、気になっております。
春よこい
http://www.seibu-group.co.jp/kawara/tabi/tabi18.html

新宿の有名なラーメン屋さん「武蔵」でも使うようになり
また、大阪を始めとする関西出身のお好み焼き屋さんが東京にも増え
「あぶらかす」を使うところが増えてるようです。
大阪では天かすのように「あぶらかす」をうどんに入れる「かすうどん」と
いうのもあります。
やや油っこいですが旨味が増しなかなか良かったです。


「みやさん食堂」については、こういうことである。

いえ、広島で商売(飲み屋さんかな)をやってる知人に以前食べさせて
もらったのが美味しいと言ったところこのお店だと言われました。
ネットで検索したらとても魅力的な佇まい、行きたいっす^^;


いやあ、オモシロイ話だなあ。天カス、揚カス、いろいろな「カス料理」がありそうだ。こういう料理は、あれだよね、「神田の空」にも書いてあるような、差別だの被差別だのイロイロあって、なかなか歴史の表舞台には出てこない。ま、汁かけめしも日陰者だったのだけど。

タカスさん、どうもありがとうございます。けっきょくメールの内容、ほとんどそのまま使わせてもらっちゃいました。これからもよろしく~

はる書房「神保町の空」 9月12日「あぶらかす」と食育
http://saryo.org/harushobo/archives/002314.html#more

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コメント

ま、蕎麦や寿司も汁かけめしである丼ものも「下賎の食べ物」といわれていたのに、フツウに食べられるようになったのですから、ようするに現実的でうまいということなんでしょうね。

一年前ぐらい前に長田町へ行ったら、「ぼっかけ」の旗がはためいていました。どうやら「ぼっかけ」で震災後の地域おこしということでしょうか。

長田町では、早朝から豚の足や鼻が、大きなザルの上で湯気をたてている店頭を見て、すごいガツンな景色だなあと思いました。

投稿: エンテツ | 2005/11/09 00:20

ああ、「アブラカス」懐かしいですね。
記事にもあるように、私も南大阪へ転勤時
「カスうどん」で初めて食べた思い出が。
後神戸転勤時、震災で知られた長田地区
では、お好み焼きに入れてましたね。でも
長田では「ぼっかけ」の方が、より名物と
いわれるようになってます。この牛スジと
コンニャクの甘辛煮みたいなものや
くじらのコロなども、子ども時分に普通に
食卓に並んでいたように記憶してます。

投稿: ボン 大塚 | 2005/11/08 18:20

おっとっと、NHKコード?に引っかかりそうな。

ま、東京は歴史も文化もない新植民地都市だし、それに明治維新に大震災と大空襲で人の移動が激しかったから、土地にまつわる古いインネンを引きずってないのかもなあ。

おれの場合、士農工商会社員そのまた下の文筆出来高労務者というわけで、たいへんな差別を受け、甲類焼酎や合成酒を涙で割ってしのいでいます。そのうち、被差別酒「エンテツの涙割」ってブランドで売り出そうと思っています。

投稿: エンテツ | 2005/11/08 11:10

こういった、いわゆる被差別部落発祥の料理ってのは西日本の各地では伝統料理として色々残ってますが、関東じゃあんまり見ないっすね。
まあ、もつ焼きなんかはその範疇なんでしょうが、同和問題への意識がほとんど存在しない東京じゃ部落発祥の料理って認識は無いっすね。

社会に出てから幾度となく「えっ、あの怖い所...」と言われた東京の貧民街で生まれ育ったおいらにゃガキの時分から当たり前の普通の喰い物で、今でも大好物の内臓料理に興味もって、以前、部落や下層社会と食に関する本をいくつか読み漁ったことがありましてね、西日本には実に色々な部落発祥の内臓料理(食材)が現存してるんだなぁとちょいと羨ましかったりして...

んで、地方に行った際にはきっかけを見つけて「さいぼし」なんかの部落食を口にするんすけど、こりゃあやっぱり酒の肴っすね。

内臓は滋味深くて実に酒に合う。
嗚呼、「ホルモン天ぷら」で焼酎呷ってみたい...

またとりとめの無い書き込みした...

投稿: 吸う | 2005/11/08 09:20

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