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2005/12/27

嗜好と食育と「健康教」「栄養教」

新年の営業は4日からです。

きのうの日記に書いた「談」の原稿は、飲酒に関して強まるお節介についてのものだ。喫煙については、すでに「嫌煙権」なるものが確立したようだが、それは、振り返れば「健康のため吸い過ぎに注意しましょう」という趣旨から始まっている。いま、これと似た現象が、飲酒についても、始まっている。その現象の特徴や背景について書いた。

嫌煙は、なるほどタバコの問題だが、それだけの問題としてみるのではなく、巨視的にみれば、タバコは嗜好品であるのだから、「嫌煙運動」は人びとの嗜好へのお節介というカタチで始まったのだ。そして、嗜好へのお節介は、酒にまで広がろうとしているし、さらにお節介は「食育」というカタチで、人びとの「口」に入るものすべてに及ぼうとしている。

いつからなぜ、そうなったのかは、「談」に書いたので、3月ごろ発行予定のそれを読んでもらいたい。とにかく、その大義名分は「健康」なのだ。

「健康第一」がアタリマエになる過程で、じつは「幸福第一」が否定されてきた。つまりは、「幸福」ぬきの「健康」がのさばったのだ。健康でありさえすれば幸福という考え、ほんとうにそうだろうか、それでいいのだろうか。というわけだね。

お互いの「幸福」を考えるのではなく、自分の「健康」を考えるようになったとき、他人の幸福を平気で踏みにじる、「殺伐とした社会」が到来した。「こころの健康」などというが、「健康第一」を捨て「幸福第一」に立ち返らないかぎり、「こころの健康」などは望めないだろう。「こころの健康」を主張しなくてはいけない健康こそ、幸福を否定した健康の姿なのだ。

食育で、ますます、お節介がひろがり、不幸がひろがる? アレを止めれば健康によい、コレを食べれば健康によいという短絡に陥り右往左往するだけで、幸福への絵が描けない「健康教」その根拠にある「栄養教」を、いま一度考え直してみる必要がある。

来年は、打倒!ハットリ栄養健康教で暴走したい。

ようするに、気どるな力強くめしをくえ! 力強く酒を飲め! ってことですよ。

関連

11月16日 「メッシュ」な文化
https://enmeshi.way-nifty.com/meshi/2005/11/post_8d24.html

11月7日 マザーウォーター 酒と水の話
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今週から、更新がなかったり、コメントやメールの返信が遅れるかも知れません。よろしく~

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