喫煙文学のススメ 寺田寅彦「喫煙四十年」
先日、どこだったか忘れたが、ときどき送られてくるあるNPO団体から届いたニュースに、禁煙したら鬱になったので禁煙をやめた、という人の話がのっていた。とくに反嫌煙の話ではないのだが、ハハア、そういうことがあるのか、嫌煙は、どこか大らかさに欠けているところがあるな。嫌煙が、別の摩擦を起こし、喫煙より悪い結果をもたらしているかも知れんなあ。でもそういうのは「因果関係」がわからないということで、統計化されず、なにやら肺がんの関係だけが統計化されるんだよね。
とか、考えていたのだが、それとは関係なく、前から青空文庫の寺田寅彦さんの作品を全部読んでやろうと思いながら、なかなかできないでいる。先日、フト、これをプリントアウトして、電車の中で読むとアンガイ軽便でよいのではないかと思い、実行してみた。すると、ほんと、本を持って歩くより楽で、かつ、おれのように老眼だか近視だかワカラン男には、文字が大きくて読みやすくてよかった。
それで読んだのが、「喫煙四十年」。いやあ、おもしろかった。これは昭和9年8月「中央公論」に初出のものらしい。半世紀以上たっても、おもしろい、こういうのが「名文」なんだろうな。いや、ま、名文であるかどうかは、おれはあまり興味ないのだが。とにかく、おもしろいのだよ。
やはり、なんだね、他人さまの嗜好にアアダコウダいうのは、あんまりよくないんだよな。気をつけよ、っと。
しかし、こういう文学が、少なくなったね。みな文章に気どりすぎじゃないかな。文章に気どる前に、もっと大事なことがあるような気がする。
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