「健康ブーム」って、品がないね
来月6月15日発売の「食品商業」7月号のお題は「健康ブーム」なのだ。いろいろたてこんでいるから、21日の締め切りだが、今日仕上げて送ってしまった。
だいたい「ブーム」というのは過剰で陳腐なものだけど、今回の「健康ブーム」は、さらに暗く不安と不信に満ち満ちていて陰鬱で、そして品がない。1970年代にも「健康志向」と「本物志向」が流行するのだが、まだ明るく希望に満ちて品があった。
おれが「品」を口にするなんて、柄じゃないが、品を気にする人たちのために、この言葉を使っている。ほんと、いまの「健康ブーム」は、品がない。そもそも、健康不安を煽るなんて品のないことだし、煽られて先を争って健康に群がる姿もあさましく品がない。
だいたい、楽しそうじゃない。日々楽しく生きられなくて、なんの健康だ。
説教くさい。
インチキくさい知識の押し売りだ。
おれは飲むのに忙しいのだ、健康の話をしているヒマはない。
しかし、世界一の長寿国日本で、なぜかくも品のない健康ブームが起きるのか、という点に注目すべきなのだ。という感じで書いた。
幻堂出版から、「最近の仕事です!」と二冊の本が送られてきた。あいかわらず猥雑のままの洗練で、いい仕事をしている。
一冊は先日5月16日に書いた、「今宵も十トリで乾杯! 十三トリスバー五〇周年記念誌」だ。
一冊は、「福満しげゆき・原点 10年たって彼らはまた何why故ここにいるのか…」だ。
詳しい紹介は、後日する。「10年たって彼らはまた何why故ここにいるのか…」って、おれもなあ、10年たって、まだここにいるのだが。
ほかに、漫画屋から「レモンクラブ」も届いているのだ。南陀楼綾繁さんの「活字でも読んでみっか?」は今回90回目で最後になる。取り上げている本は、阿奈井文彦さんの「名画座時代 消えた映画館を探して」。写真のキャプションに、塩山編集長は「90回もよく続いたヨ。本連載もその後の本誌も…」と書いている。ま、ようするに、エロ漫画で、このような書評紹介をやるアソビをする余裕もなくなって連載打ち切りということなのだな。
この「活字でも読んでみっか?」では、2000年1月号で拙著「ぶっかけめしの悦楽」を取り上げてもらった。南陀楼さんのブログ5月15日に「「活字本でも読んでみっか?」で取り上げた本」リストがあって、そこにも載っている。これを見ると、「活字本でも読んでみっか?」は、同じ漫画屋制作の『Mate』(一水社)で継続するらしい。
とにかく、あのころおれは「南陀楼綾繁」という名前を知らず、その「レモンクラブ」で初めて知ったのだった。南陀楼さんと初めて会ったのは、それから約2年後の2002年の秋、西日暮里の「遠太」で。
ま、チトいまは忙しいので、これぐらいで。阿奈井文彦さんの本は、これまでほとんど読んでいるから、この件は、また後日に書く。だろう。
マズイと思っても、それを個性だと思って味わうことが、なんに関しても必要だね。
本当のプロは、煽ったり脅したりや、知識の押し売りはしない。
プロぶった栄養学の先生がする知識の押し売りなどは、インチキが多いってこと。
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