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2006/07/15

東海林さだお「タクアンの丸かじり」メモ

文春文庫版97年4月1刷99年4月4刷(初出「週刊朝日」1990年8月3日号~1991年4月19日号(「あれも食いたいこれも食いたい」)、単行本1991年11月朝日新聞社刊)を見ていたら、「What's 汁かけ飯」というタイトルで、味噌汁ぶっかけめしについてウンチクが述べられている。

なかなか面白いが、その次に「ラーメンの誠実」というタイトルで、「山本益博氏は「うまいラーメン屋の見分け方」として次のような点をあげておられる」と5項目を紹介し、その通りの店に入ったが、まずいラーメンだった、「そのまずいラーメンを、まずい、ひどい、と言いながら、結局、スープの最後の一滴まで飲みほしてしまった自分が情けない」と書いている。東海林さんは、ときどき名前をあげたりあげなかったり、山本益博さんに、なかなか上手い皮肉をとばしている。それはまた、山本さんに追随するような「情けない」風潮に対する皮肉とも言えるだろう。

それはともかく、「うまい●●屋の見分け方」というのは、誰が始めたか知らないが、とくに山本益博さんあたりから伝染が激しくなったように思う。外食本のたぐいには、このテの話が登場することが多くなった。ま、ママゴトのような一つの食通プレイだと思って読んでいればよいのだが、書いている著者ご本人が、そのことを書くことによって、自分がその分野の権威であるかのごとくクソマジメであるから、おかしいし滑稽なのだ。このように皮肉を言われることになる。

たしかに、マットウに食を語るには、そのようなハッタリは不要なのだ。しかし、読者大衆というのは、こういうハッタリをよろこぶのも確かであるな。かくてハッタリは、はびこり、またそのハッタリに皮肉をとばす芸も成長する。か。

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