さらにまたドクターペッパーと食育のこと
ドクターペッパーについて、最近のトラックバックに、「月球儀通信」さんからトラックバックをいただいた。拝見すると、30年前、ドクターペッパーを飲み、しかもCMまでご覧になって覚えておられる。すごいなあ。あのCMは、ユーフーのときもそうだったが、予算がなくて、スポットでちょこちょこやっただけなのに。
しかし、その30年前にはまったく赤の他人、いまだって見ず知らずの方と、こうして、そのわずかなことでコミュニケーションができてしまうインターネットって、なんてまあスゴイのでしょう。
それはそうと、その30年前ぐらいというと、ドクターペッパーよりちょっと前だったと思うが、マイク真木をつかって「ごはーん」とやったレトルトごはんのCMをごらんになって、アノ商品を食べた方もいるだろうか。あのときも死にそうなほど徹夜しました。
アレも、商品開発から販売まで関わったのだけど、撤退。思い出してみると、1971年に食品のマーケティングのシゴトに関わって、中ごろのドクターペッパーやユーフーのころまで、新商品新市場開発に関わった商品がいろいろあるけど、少ない予算ながらもCMまで打って派手にやったのは、ほとんど撤退になって、残っているのは、地味にやっていた冷凍食品のエビフライとコロッケ、それに最近はあまり見かけないけどエビ缶詰というあたりかな。ま、新商品開発は、1割ぐらい生き残ればよいといわれていたから、フツウというところか。
70年代中ごろの食品マーケットは、まだ半分以上は問屋―食料品店チャネルに依存していて、スーパーの売上シェアは半分に満たなかったと思う。マーケティング的には非常にやりにくい時代で、けっきょくいま考えると、冷凍食品のエビフライとコロッケやエビ缶詰あたりは、給食や業務用ルートを開発できたから定着しやすかったということになるか。
あのころの農業なんて、農薬漬けですごかったね。ようするに、農水省は、いつだって生産者の味方で消費者の立場になんか立ったことはなかったのさ。
たまたま、きのうのヤフーニュース(毎日新聞) - 9月9日19時15分更新に、「<BSE>発生から5年 この間、何が変わったのか…」という記事があって、「生産者保護に偏りがちな」農水省の施策を、やっといまごろになって指摘している。
「 BSE発生を防げなかったことに対して、責任は農林水産省の肉骨粉規制の遅れにあるなどとする批判が渦巻いた。「BSE調査検討委員会」は02年4月、同省の対応を「重大な失政」と指摘した。
この反省から、農水省、厚生労働省から独立した立場で、食品の安全性を科学的に評価する食品安全委員会が、03年に設置された。同時に、生産者保護に偏りがちな農水省に消費・安全局が新設され、消費者重視の行政を担うことになった。」とね。
「生産者保護に偏りがちな農水省に消費・安全局が新設され」たのは、たしか2002年のことだったと思うが、その年11月に、自民党の食育調査会はスタートした。BSE以外にも、消費者の食品への不安が高まる事態が続き、やっと政治と行政は、ちったあ消費者対策をしないと大変なことになると認識したのだ。しかしその結果が、食育基本法とは、自らの責任の消費者への転嫁ではないか。
生産者と、その管轄にあたってきた農水省の責任は問われないまま、国民の食に対する「感謝」の気持が足りないと、生産者に対する「感謝」を押し付ける食育基本法は、あいかわらず「生産者保護に偏りがち」だといえる。消費者はふんだり蹴られたり説教たれられたり。
服部センセほか食育論者は、国民に向って「選食力」の食育を説教たれるが、行政や政治にむかって責任ある食料政策を迫ることはしない。穴のあいたコンドームを性教育で対策しようというのか。これは無責任な食料政策を保護しているようなものだ。ほんとうに食生活のことを考えるなら、逆だろう。
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