食育上どうなのか「その他の醸造酒(発泡性)①」
おれのことを「孤高」ではなく「孤底に沈むヘドロヤロウ」という知人のクソヤロウから、「その他の醸造酒(発泡性)」などを飲んだか、あれは食育上は、どういう扱いなのだ、というメールがあった。
それで、近所のD級スーパーへ行って、「その他の醸造酒(発泡性)①」と表示のあるレギュラー缶350mlを2種類を買って来て飲んでみた。どれも、単価113円税別。
一つは、「アサヒ新生3」。原材料は、ホップ、糖類、酵母エキス、大豆ペプチド、カルメラ色素。アルコール分5%。炭酸ガス含有。
一つは、サントリージョッキ生。原材料は、ホップ、コーン、糖化スターチ、醸造アルコール、植物繊維、コーンたんぱく分解物、酵母エキス、香料、酸味料、カルメラ色素、クエン酸K、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、苦味料、炭酸ガス含有。アルコール分5%。
総合的に比べると、やはり、こういう「合成」モノは、サントリーが圧倒的に上手だね。味のうまいマズイではなく、いろいろなものを混ぜてNHKのど自慢のような味覚に難なくまとめあげるワザというのかな、上手だね。
アサヒは、味がバラバラで統合がとれていない。苦味が突出したり、サイダーのようなシュワシュワが突出したりで、とにかくバラバラ。グラスに注ぐと、サイダーのように泡が出て、サイダーのように泡がひいてゆくし。
しかし、これ、材料がずいぶん違うね。それにアサヒには、醸造アルコールの表示がないけど、まさか発酵でアルコールを得ているわけじゃないよな。そのへん、よくわからんが。
食育的には、とてもよい教材じゃないかね。サントリージョッキ生も、注意深く飲むと、それぞれ材料の味をかんじることができるし。やはり、日本の文化は、こういうものが得意なのであるという教材、貧しい日本ならではの味覚の教材として、オトナの食育の時間に試しましょう。
こういう味覚を、ニセモノと非難するのは簡単だけど、日本の「豊かさ」は、高度経済成長によるものだと思うが、それは、こういうものをつくりだす工業力によって担われたのだ。これが、日本の「豊かさ」の味覚なのだ。どこの国でも酒は、農業風土から生まれ育ったものだけど、残念ながら、安くてうまい酒を育てなかった日本の農業は、貧しい。そこんところを反省しない農業は、衰退しかない。食育基本法によりかかって、「地産地消」や「旬」や「感謝」を食育していれば、農業が再生するかのようなことは幻想だ。現実は、もっと厳しい。そう、食育しましょう。
しかし、これ、甲類焼酎をウーロン割りで飲むのと、どちらが安くつくのかなあ。
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コメント
>季節労働者さま
「性交」というコトバは説明するよりヤルほうがおもしろく楽しいように(おれは知らんけどタブン)、「食」についても、そうですな。だいたいコトバなんてなあ解説するものじゃないね。「酒」についても同じでね、飲むのがイチバン。
>近藤さま
けっきょく、自然をモデルにした絵がよろこばれたり、自分のイメージの絵がよろこばれたりするように、ですね。前者は古典的、後者は前衛的とすれば、味覚の世界も、そういうことがあるような。イマ、あんなものはニセモノだとかいわれているものが、アンガイ未来的だったりとか。絵でも音楽の分野でも、そういうことがあるように、とくに嗜好品の味覚の分野では、ありそう。
しかし、やはり好きなようにドブロクをつくれるということがないと。
投稿: エンテツ | 2006/09/06 12:24
どうもです。サントリーは『ダイエット生』もそうですが、合成甘味料や酸味料使って、普通のビールに近い、キンキンに冷やすと「あ~、美味い!」って思わせるものを作りますよね。
それがいいのか悪いのかは、ベロ、ノドの意見とか健康観なんかで分かれるところでしょうが。
甲類焼酎を含め、酒税の安い酒をいかに美味く飲むか。いかに脱・ビールやなんかで酒税を格安に抑えるか。おっきなテーマだと思います。ホッピービバレッジが地ビールブームの頃、「赤坂地ビール」や「深大寺ビール」を出しながら、なぜ今もって「中入りホッピー」を発売しないのか。もったいないけど、なんかあるんでしょうね。
近いうち、一杯ヨロシクです。
投稿: 近藤昌 | 2006/09/05 23:31
すっかり食育漬けになってくださり、ありがとうございます。私もその他のもろもろの項目に漬かり過ぎて、酸っぱくなってきています。
>いろいろなものを混ぜてNHKのど自慢のような味覚に難なくまとめあげるワザというのかな
言い得て妙ですね。初期の発泡酒は「ビールの近似値」の追求にやっきになっていたように感じましたが、いまは「発泡酒」というジャンルが確立されたので、「発泡酒」「第3のビール」でありさえすれば「ビール」からは相当離れてもOKだという認識なのでしょうか。ビールよりも発泡酒のほうが好きな人も少なからずいるようですね。
投稿: 季節労働者 | 2006/09/05 20:51