食育に飽きてWikipediaのカレーライスに絶望しながら校正のこと
食育ばかりで飽きる。しかし、「教育」が好きなやつがたくさんいるなあ。「教え」を下痢クソのようにたれ流したくて仕方ないらしいね。ワレワレ大衆を便所と間違えているんじゃねえのか。ちったあワレワレ大衆から「学ぶ」ことをしなさい、ね、センセ方。
でまあ、飽きるんで、戯れに、「信頼性は「ブリタニカ百科事典」に匹敵する」と一部では言われているらしい、Wikipediaの「カレーライス」を見る。すると、それは「カレー」という項目にある。……クリック地獄
そのなかに、「カレーライス」という項目があって、そのなかに「日本のカレーライス」という項目があって、例によって、「日本には、インドからイギリスを経由して紹介された」とありまして、すぐさま「軍隊とカレー」の話であり、「日本国内においては、軍隊がカレーの普及に大きな役割を果たした点では間違いないだろう」なのだ。しかし、どんな料理が、どう普及したかについては書かれてない。
どうやら、これを書いている人は、『汁かけめし快食學』を読んでないか無視しているね。Wikipediaは、誰でも書けるようになっているが、しかし、ここまでフレームワークができあがってしまっていると、そもそも、そのフレームに問題があるのだから、訂正をいれるなんて不可能だね。
ま、こういうことはよくあって、イマの頭で現在の「カレー」に関するフレームワークをやり、それに関する用語を文献からひろって、それを年代順に組み立て直して、そこに解釈を加えるというやり方だな。これだと、歴史の向こうからの流れが、つまり、まだ「カレー」の概念がなかったときに、カレーライスが誕生するわけだが、その向こうからの流れが抜け落ちてしまう。なんていうのかなあ、歴史を考える空間と時間の捉え方の根本が違っているかんじがするなあ。カレーライスの歴史に限らず、こういうことはよくある。とにかく、これは料理史には、なっていないよ。
しかし、それにしても、これで、書いた人も、見た人も、みな納得しているのだろうか。イマイチ解せないなあ。うふふふふふ、おれの考え方のほうが「孤高」すぎるのだろうか、ああ、先駆者は辛いなあ、ガリレオさん、辛かったでしょう。
孤高は絶望へつながるね、ああ、もう絶の望だと思っていると、FAXだ。見たら、『散歩の達人』の校正だ。8月31日に書いた『明治西洋料理起源』の紹介だね。もう校正ということは、今月発売の号に掲載なのかな? ま、気分転換に見るかと、本を取り出して引用をチェックしながら思い出したが、この本は、そういえば、南陀楼綾繁さんから預かっている本だよな。
なんでかな、彼が、この本を、どこかの古本屋で買った日だったか、ちょうど会って、それで「先にどうぞ」とかいわれて。きっと彼の家は本だらけで置く場所がないから預かっておいてくれという意味だろうと思って受け取った、あれだな。
おれのウチは狭いけど、本なんかあまりないからな。本なんか読むやつはバカなやつだからな、頭がよくて孤高なおれは本なんかいらないのさ。で、預かっておいたのが、こんなときに役に立って、……ああ、そうして、南陀楼綾繁さんの本の校正、先日届いた、なんてタイトルか忘れた「路上派」だの「遊書」だのなんだのというNHKの番組みたいな、だけど、だから、いかにもイマこういうゆるい遊びな感覚が受けるんだよねとマーケティングされたかんじのタイトルの日記本の注、おれが書いた分の校正を、思い出してしまったじゃないか。
ということで、食育は飽きたから、校正をしながら絶望を癒すのだった。って、じつは酒飲みながらだから、はあ、校正なんかどうだかわからんぞ。だいたいね、Wikipediaのカレーライスだって、あんなにイイカゲンなんだからさ、おれの校正に間違いがあってもトウゼンだろう。お互いにマチガイを楽しみましょう。
アレが間違っている、コレが間違っているなんて細かいことはいわず、まま、いいじゃないですか、イイカゲン大好き、だらしないの大好き、大いにココロザシもって、食育を蹴散らし、つぎはカレーライス伝来説と軍隊から広がったなんていうヨタを、カンペキに蹴散らすことにしよう。どうでもよいことだけどね。ふわあああ、夕飯の仕度だなあ。そういえば、ウチのホーロー鍋だが、焦げ付きクセがついてしまって、困ったなあ。
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コメント
うふふふふ...
http://ja.wikipedia.org/wiki/遠藤哲夫
投稿: 吸う | 2006/09/07 14:15
なんか今日は、よくクソが出る日で、野糞じゃなくて、便所ばかり入っている。
いい夢じゃないか。こんど飲むときには、その率の支払いで頼むぜ。
投稿: エンテツ | 2006/09/05 14:48
クソですか...では、野グソでもコンニチハ!
そう言えば、今朝は先生様と呑む夢を見ましたよ。
ネットの掲示板で「ドブ評論家」だと言うおっさんと知り合って、そのおっさんお薦めの大衆食堂で呑む約束をしたら、そのやり取り見た先生様も一緒に行きたいってんで三人で呑み行くことになり、行ってみたらこれがいい感じの古びた店で、店内は広くて王子の山田屋そっくり。
んで、ガツンと呑んで喰って勘定したらちょうど2万円。ドブのおっさんが1万出してくれたんで、じゃあおいらは7千円出すから先生様は3千円でいいやって金払って店を出たところで目が覚めた。
んで、寝起きに思った「高ぇ店だなぁ〜!」
投稿: 吸う | 2006/09/05 13:56
Wikipediaは、おもしろいね。恣意的主観的に書いて、なかにはムリヤリ客観を装っているのもあるけど、しょせん1人の知識なんかオソマツなものだから、いろいろな人間が恣意的主観的でもよい書けばいいのさ。それを読んでアレコレ考える、ってのがオモシロイので、丸ごと信じるものじゃないね。どのみち、おれは酒飲んでいるほうがよいから書かないし、たいがい酒飲んで見ているのだけど。
こんど、酔った勢いで、自分の項目をつくって自画自賛を書いてやるかね。ぐふふふ。
ああ、しかし、涼しくなったあとのこの暑さ、たまんないね、シゴトがすすまないね。クソだね。
投稿: エンテツ | 2006/09/05 13:32
ああ、Wikipedia面白いっすね。おいらも酒以外の趣味の分野でいくつか項目作成したりしてますよ。
まあ、あすこは恣意的に好き勝手書けますからね、いい加減なこと書いてあるのが多いっすよ。調べ物の使う時も丸ごと信じないのが賢明ですな。
ああ、今度エンテツ先生様の項目作って礼賛しようかな。へへへ...
投稿: 吸う | 2006/09/05 12:35