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2006/10/25

常盤花壇 メモ

むかし常盤花壇という有名な料亭があった。神戸が発祥というか、とにかく神戸で古くから有名だったようだ。関西の料亭とばかり思い込んでいたが、きょう、松崎天民さんの『東京食べある記』(誠文堂、昭和6年)を見ていたら、ナント、「上方料理」の東京進出に対する「東京料理」の料亭として常盤花壇が登場している。うーむ、チト、興奮。

11ページに「不味いから東京だと云ふのではないが、伊勢虎とか、末よしとか、萬安とか、いけすとか、開華楼とか、一直とか、草津とか、常盤花壇とか、何処かに一つや二つの東京料理としての美味さが、気を吐いてもよいのではあるまいか」と、やや東京の負け犬の風情だ。この常盤花壇は、関西のそれと、どういう関係だったのだろう。

ちなみに、松崎天民さんが『東京食べある記』の前年に同じ出版社から刊行した『京阪食べある記』には、常盤花壇は、このように登場する……

「神戸で第一流の割烹店は何処ですか」と私。
「さうですね。先ず常盤花壇、西の魚善、西常盤、音羽花壇の四軒でせう。中店と云はれる中常盤と吟松とは、前の四軒に次いでの大店ですが、神戸では先づこの六軒でせう」と船橋氏。

……引用オワリ。

都内各地にある「常盤(ときわ)食堂」というのは、いろいろな系譜があるようで、紋もちがったりするが、その一つは、もしかすると常盤花壇の「常盤」と関係あるのではないかと、なんの根拠もなく推測していたが、昭和6年に東京に「常盤花壇」という料亭があったということになると、その推測も現実味をおびるか。でも、単に権威の無断借用にすぎないこともあるからな。とにかく、戦前の昭和の東京に常盤花壇があったというのは、チト気になる。

ついでに、引用に登場の「伊勢虎」の若い末裔には、グウゼン会う機会があって、ザ大衆食のサイトに書いた。この広い東京で、そういうことがあるなんて。いまも元気にしているだろうか。

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