「文化」と「経済」
アルプスでは荒天で遭難者が出ているようだ。新しい報道によれば、白馬岳登山の山岳ガイドつきのパーティーに死者が出たようだ。
いつごろだったか忘れたが、たしか、山岳遭難事故では、リーダーの刑事罰が問われるようになったハズだと記憶している。あいつぐ遭難事故対策として、リーダーに刑事罰を課せば、事故は減るだろうという考えだったように思う。いわば「厳罰主義」で解決しようということだ。
そのときも問題になったような気がするが、そもそも「神風登山」といって非難された背景には、無理な日程を組まざるを得ない過酷な労働環境があった。あるいは、そもそも登山といったゼイタクを貧乏な勤労者がすること自体がオカシイという考えも一部にあったように記憶している。遭難は、大学山岳部にもあったが、勤労者の登山に、より多かったからだ。
日本の山岳界は、いまのことは知らないが、かつては大学山岳部系と勤労者山岳部系とに大きくわかれ、おれが高校山岳部だった1960年前後には、イチオウ組織的な統合は成っていたが、けっこうイロイロあった。
ようするに、けっきょくだよ、「山岳ガイド」なるものがビジネスとして成り立つようになったのは、慶賀に値するとして、「厳罰主義」にして「登山文化」の成長はあったのか。ということなのだなあ。
春秋の日本列島周辺の低気圧は、列島に近づくにしたがい、急速に発達する。ということで、かつては恐れられていた。たしか、春は台湾周辺で誕生し、日本列島に近づくと強まる低気圧は「台湾坊主」と呼ばれ、警戒されたね。いまは、どうか知らない。なにしろネットの天気図には、等圧線はあるが、気圧が明示されていないものもあるぐらいだ。ま、それでも、等圧線の密度で、大方は判断つく。
ああ、酔ったか? ようするに「カネとバツ」でなんとかなるのか、ということを、おれは言いたいのだな、タブン。食も、おなじことだよ、と。教育も、おなじことだよ、と。
「文化」と「経済」は二律背反的に考えられることが多いようだけど、骨と筋肉の関係なのさ、ということを、今回の「山岳ガイド」が率いた遭難で、詳しい経過は知らないままに、あらためて思ったということかな。しかし、おれの知り合いにも山岳ガイドがいるのだけど、ま、観光旅行社が募集する「山岳旅行者」を引率するわけだけど、どうもね、経済だけで文化が足りないような気がするのさ。少々のカネとヒマができたからと手っ取り早く成果をいただこうという、グルメもそうだが、貧しい成金趣味じゃないかなあ。「経済」だけで「文化」がともなわないと、コケルよ。骨と筋肉の関係さ。
あれまあ、もう今日に日付が変わっている。いつだって「今日」だけど。6日から7日、いろいろなことを片付けたが、6日締め切りの「書評のメルマガ」の原稿、ちゃんとやりました。数日前にも書いたように『まな板』という本。これは、江原恵さんの『庖丁文化論』以来の興奮だったように思う。うぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃああああ。
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