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2007/05/24

玉川奈々福さんの師匠、福太郎さん亡くなる

Hukutarou22007/05/22「おれは生きている! お前も生きている!」に「玉川奈々福の浪花節は、「おれは生きている! おまえも生きている!」と生活感満々で、いいねえ」と書いたばかりだが、その奈々福さんの師匠、玉川福太郎さんの死亡記事をみつけた。突然の事故死。61歳。

なんともいいようがない。

昨年末12月16日、奈々福さんの襲名披露で喉を聴き、そのあと打ち上げ飲み会で一緒だった。玉川一門の師匠であるだけでなく、浪曲界にとって、大事な人だった。

福太郎さんの口演というと、天保水滸伝をはじめとする、男は度胸よ愛嬌よ、義侠の二字を横抱き走るステキな男たちの世界が、なんといっても妙味があり高い評価を得ていたとおもうが、おれが忘れられないのは、何年前だろうか浅草の木馬亭で聴いた、明治の探偵ものだ。築地署の探偵が活躍するそれは、山田風太郎の「明治波濤歌」の世界を髣髴とさせた。例によって、いいかんじで盛り上がったところで、「ちょうど、時間と、なりました~」でおわった。もう「うまいっ!」としか、いいようがなかった。あの続きを聴きたいと思いながら、ついに聴けなかった。一見、鬼瓦のようなコワソウな顔、まさに「男は度胸よ愛嬌よ」というかんじで、舞台度胸はよく、そしてふだんの笑顔はカワイイぐらい愛嬌があった。

黙祷。

奈々福さんは頼りとする師匠が亡くなり、大ショックだろうが、のりこえてほしい。
(画像は、一昨年の連続独演会「玉川福太郎の浪曲英雄列伝」のチラシから。「天保水滸伝」といい名口演だった。福太郎さんが亡くなって、「天保水滸伝」はどうなるのだろうか。奈々福さんは最近、福太郎師匠にいわれ、稽古を始めたばかりだった。)


浪曲師の玉川福太郎さん死亡=田植え機の下敷きに-山形
5月24日1時1分配信 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070524-00000003-jij-soci

 23日午前10時50分ごろ、山形県酒田市北俣の農道で、浪曲師の玉川福太郎(本名佐藤忠士)さん(61)=東京都足立区本木=が田植え機を運転中に田んぼに転落して田植え機の下敷きとなり、病院に運ばれた。県警酒田署によると、玉川さんは午後10時18分、低酸素脳症のため死亡した。
 同署によると、玉川さんは酒田市北俣にある妻の実家に農作業の手伝いに来ていた。田植え機をしまうために運転していたところ、農道の左カーブを曲がる際に左側の田んぼに転落し、田植え機の下敷きになった。同署が詳しい事故原因を調べている。
 玉川さんは山形県生まれ。1990年に文化庁芸術祭賞を受賞している。

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コメント

コメント、ありがとうございます。
ほんとうに「残念」としかいいようがありません。
まだまだタップリ聴けると思っていたのに。

投稿: エンテツ | 2007/06/06 00:20

玉川福太郎師匠ご逝去誠に残念に思います。自分は玉川福太郎師匠が三吉演芸場でやっていた姿を観ていたのに、マジで残念です。

投稿: 野口裕子 | 2007/06/05 23:55

なんとも、言葉がないね。
とにかく、戦後の浪曲「冬の時代」に入門し、
この道でやってきた貴重な生き残りだったが。

おれは、どんな終わり方をするのだろうか。
いい人は早く死ぬというから、おれもそろそろじゃないとオカシイ。

投稿: エンテツ | 2007/05/25 01:32

ああ、こんな終わり方ってあるんすかね...
福太郎師はまだ正当な評価を受けてないのに...

投稿: 吸う | 2007/05/24 19:23

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