女と日本そば
そば屋で酒を飲みそばを食べていた。
「それで、その女とはここで酒を飲んだのが最後になったんだよ」男が言った。
もう一人の男は、黙って盃を傾けていた。
なんだか似たような話があるなと、おれは思った。
「だけど、どうもその理由がわからないんだ」男が言った。
すると、もう一人の男が、「嫌われたのだろ」と言った。
「だから、なぜ嫌われたのか、わからないんだよ」
「ほかに好きな男ができれば嫌われるさ」
どんな事情があってふられたのだろうか。
「納得いかないなあ。このままじゃ納得できないまま死ななくてはならないよ」
「そんなことないさ、忘れるよ。一年後に、おなじことを言っていたら酒をおごってやる」
おれは思わず笑って、酒を口にふくんだ。
おれのようなトシなら、もう死ぬまでひきずるだろうが、若いのだから、そのとおりだろう。男も女も、若ければすぐ忘れる。いくらでも楽しいことがあるし。おれは、そんな風に思った。
「おれの話を聞いてるのか、むかしはそば屋のことを日本そば屋といったよな」
おれの連れが、そういったので、おれは気がついた。
「そういえば、そうだ、なぜ、わざわざ日本そば屋といったのだろう」
午前2時半、眠いのでオシマイ。
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コメント
うへへっへ、酔っていたし、眠くてメンドウなので、トツゼンやめてしまった。
ま、隣の席では女にふられた話をしていて、おれたちは「中華そば」と「日本そば」と「ラーメン」の話をしていたのだった。近年、やたら知ったかぶりで中華そばとラーメンのちがいをいうやつがいるが、むかしはそんな区別はなかった、あったのは「中華そば」と「日本そば」なのだ。だからいまになって中華そばとラーメンをわけようとしても実態にあわない。ってな話をしていたのだけど。
タブン、あとで書きまする。
投稿: エンテツ | 2007/05/30 14:36
>眠いのでオシマイ。
ななななな、なぬ〜!? なんと中途半端な...
「そういえば、そうだ、ラーメン屋は中華屋、中華そば屋といっただろう」
投稿: 吸う | 2007/05/30 13:40