北九州市城野の河口酒店で角打ち「部活」を書きたいのだが
去る7月17日、この日の朝、寝台特急で小倉に着いて、そのまま仕事にかかったのだが、夕刻7時ごろ日程をこなし、小倉出身のエムさんに連れられ、城野駅前の河口酒店へ角打ちをやりに行った。
そこにはエムさんの高校の同期生と、おなじ会社の人たちがいた。彼らは、「部活」と称して角打ちを楽しんでいるらしい。いい「部活」です。
河口酒店は、入り口から向かって左が酒を売るスペース、右がカウンターのある角打ちスペース。うなぎの寝床のように奥に長く、奥でも店と角打ちスペースがつながっている。カウンターの真ん中へんにおでん鍋。
おれは、まず生ビールを一杯やり、そのあと芋焼酎のロックにした。おでんを食べた。おでんは、北九州のいたるところ、という大げさかもしれないが、うどん屋にもお好み焼き屋にも、「いたるところ」というかんじであるのだ。どうやら、「とりあえず」おでんを食べるひとが多いらしい。いつも腹が減ってガマンならずに入るからなのか。事情はよくわからないが、そこに働くひとの日常の「生き方食べ方」をかんじた。それは角打ちにも通じるのではないかと思った。
飲むほどに酔い、酔うほどに飲み。女将が、自作でオススメの「ゴーヤ甘酢」を出してくれた。単純明快、ゴーヤを甘酢醤油辛子入りで漬けたものだ。うまい、つまみによい、タップリあって100円。どんどん飲む。焼酎おかわり8杯目ぐらいまでは覚えている。
9時をすぎていただろうか、閉店前に、エムさんがシェリー酒を飲もうと店の方へ行き、一本持ってきた。こういうことができるのも角打ちならでは。エムさんは、かなり酔っていた。おれも酔っていたが、まだシッカリしていたように思う。と、そんな差を強調してもしかたないが。
それまで、黙々と働いていた主人が、もう閉店が近づいたからだろうか、一緒に盛り上がる。かんじのいいご夫婦だねえ。記念撮影。顔つき目つきが完璧に酔って土偶化したエムさんはシェリー酒を持ち、高校の同期生と。
シェリー酒で乾杯したあたりから、かなり記憶がアイマイになる。でも勘定のとき、安くておどろいた。2千円ちょっと。ま、それだからこそ角打ちなのだろうが。ちかごろの居酒屋は、なんか過剰すぎると思う。能書きは多いし。
とにかく、つぎ、ということで、「部活」のみなさんも一緒に、城野の自衛隊の門があるほうへ向かい、そのあたりのバーに入ったのだった。バーボンをボトルでとって飲んでいたような気がする。
城野の自衛隊といえば、松本清張さんの「黒地の絵」の舞台になった米軍城野キャンプのあとだ。映画「無法松の一生」と「黒地の絵」で、小倉祇園太鼓を知ったが、実際に聴いたことはなかった。しかし、ちょうど、その小倉祇園太鼓の祭りのクライマックスが21日22日と近づいていて、街角で太鼓を練習する音が鳴り響いていた。
おれは、22日の午後4時ごろ北九州市を飛行機で離れたのだけど、滞在中のホテルは小倉の中心部だったから、毎夜のように太鼓の音を聴きながら酒を飲んだ。単調な、やややさぐれた感じの太鼓の音を聴きながらの酒。めったにやれることじゃない。格別の味わいだった。
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