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2007/09/07

もっと市場、もっと市場的に! 広島の市場

Hirosima_ekimae北九州の市場の数と規模は、かなりのものだ。「雲のうえ」2号でも市場特集をしていて、その数100ヶ所以上という。アジ一匹100円から、野菜一山100円から、生活に密着した市場で、そのなかや周辺には、市民がくつろぐ安い飲食店がある。よい飲食店と近隣の市場は深い関係にある。

東京では、そういう関係が崩れ、築地を権威とする情報が支配する時代が続いたが、築地は観光地化し、いまや移転の憂き目をみようとしている。市場は都市のインフラだ、という考えは、もうない。そんなことがあったことも記憶から失せようとしている。「昭和レトロ」なんていうが、かつて東京のアチコチにあった市場のことは話題にもならない。つまり、それがナゼ消えていったのか、その記憶すら捨てられてしまったようだ。そして東京の生活は迷走へ向かった。「昭和レトロ」なんてのは、その迷走の姿そのものであり、過去に寄りかかり想像力も創造力も枯れた、ていどの悪い、クレイジーでイージーなブームにすぎない。

たしかにどこの都市の市場でも、シャッターが降りた店も増えているようだが、一方で空いた店舗を若い人が利用し開業する例も増えている。新しいビルは、若者の自立の意志や前途や希望を打ち砕くかのように、カネがかかるのだ。そのようなビルがふえる都会の未来は、見た目の派手さや明るさにくらべ、けっして明るくはない。

土建屋不動産屋国家であるがゆえに、高いデカイ建物が注目を浴びるが、市場や市場的なものは都市の生命であり生活だ。

ということを、とても考えた。北九州で歩いた市場の数、まだ数えてないが、たくさん。下関の市場も行った。その前に、すこし書いて未完だが青森の市場と八戸の市場も行った。きょうは広島の市場の画像を掲載しよう。忙しいので、説明は簡単にする。そのうち、行った全部の市場について、詳しく書きたい。

Hirosima_ichiba1Hirosima_ichiba2広島駅舎の南側に立つと、正面に再開発されたイマ風の商業ビルがある(一番上の画像。愛友市場の側から撮った。右手が広島駅)。ところが駅を背に左手を見ると、猥雑な佇まいの市場が広がる。一番駅寄りの入り口に「愛友市場」の看板がある。通路を行くと、なかはいくつもの横丁や市場に別れている。魚、野菜、乾物加工食品、雑貨…なんでもある。この一角は、まとめて「駅前市場」と呼ばれ、観光資源として利用しようという動きもあるようだ。午後になっても魚扱いなどは商品があるかぎり営業している。駅前大通りを行けば、この奥には、鮮魚の猿候橋市場がある。

Hirosima_ichiba3こういう風景が駅前一等地にあると、土建屋不動産屋国家的見方からは、コキタナイだの、恥だイメージを落とすだのといわれ、おなじ市民に邪魔者あつかいされたりする。だが、よく考えて見よう。東京は、そういう再開発をたくさんやってきた。その結果は、どうだったか。

以上、時間がないので、簡単な演説でした。画像は8月29日撮影。

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