山陰の土井ヶ浜、三陸の太平洋、うにより海よりカップ酒。
皮がむける肉体は、表面で虫が動きまわるように痒い。痒いが、かいて無理やり皮をむくことになってもいけない。シゴトに集中できないでいると、高校生のころインキンになったことを思い出した。ま、スポーツ系部活をしていた連中の多くは、サポーターの関係でやられる。でも、なるやつとならないやつがいるから、なったやつは「不潔」というふうに不当に見られる。とにかく、あれが痒くなりだすと勉強になんか集中できない。なーんてことを思い出したので、気分転換をしよう。日本海の北と南の画像を掲載したから、つぎは岩手県の三陸太平洋岸の画像だ。
その前に、山陰の山口県下関市豊北地区にある、「沖縄の海のようにきれい」といわれる土井ヶ浜。ここは、沖縄のサンゴの砂のように白くはないが白い砂浜だ。しかも2,3百メートルぐらい先まで、膝の高さぐらいの遠浅。なので、エメラルドグリーンあるいはコバルトブルーなかんじもある。8月26日の撮影時は雲が多かったから、このていどだが、あとで晴れたらエメラルドグリーンも砂の白も、もっと鮮やかだった。
「白砂青松」という言葉あるように、なぜか、この色の組み合わせの風景がもてはやされてきた。しかし、見慣れると、いささか飽きやすいかんじがしないでもない。見た瞬間は「ウワ~っ、キレイ」とか思う。でも、美人だが顔にも話にも表情のない女のようにタイクツしてしまう。という気がする。ま、とにかく、その画像。
この土井ヶ浜周辺では、たくさんの弥生人骨が発見されている。いつか「四月と十月」古墳部で来なくてはならないねと牧野さんとも話していたのだが、この遺跡は、日本の歴史やあなたとおれのことを考えるうえでもゼヒ見たいと思っている。詳しく説明していると長くなるので、こちら「土井ヶ浜遺跡人類学ミュージアム」の公式ページをごらんください。いきなりガイコツの。…クリック地獄。ほんと、興味津々のところだ。
さてそれでは、岩手県の太平洋岸。7月25日の夜、岩手県釜石に泊まったワレワレは、翌早朝6時ごろ釜石を出発する列車に乗って宮古へ。宮古で列車を乗り継ぎ、さらに久慈へ向かって北上。そして久慈で青森県八戸へ行く列車に乗り換えた。この間、列車は三陸海岸沿いを走る。各駅停車、全行程約6時間。その車窓から撮ったのが、この画像。久慈駅を発って数十分のあたりではないかと思われる。断崖のない比較的おだやかなかんじの景色のところだ。車窓からは海水の、よく透きとおっているのが見えたのだが、残念ながら白砂ではないから、「沖縄の海のよう」には見えない。だけど、十分きれいな景色ではないか。太平洋ってのは、なぜか日本海より明るくかんじる。日本海側を「裏」、太平洋側を「表」とする「差別」を、ナットクしてしまう裏日本出身のおれ。
ところで、またもや「うに」だ。三陸鉄道北リアス線久慈駅構内の売店「三陸リアス亭」で発売の「うに弁当」は、とにかく有名らしい。なにしろ、あのあてにならないフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』にも、ちゃーんとあるのだ。…クリック地獄
この記載はあてになる、ここに書いてあるとおりだ。毎日限定20個販売で行列ができ、予約しておかなくては買えないことがあるらしいが、ワレワレが行ったときは、まだ観光トップシーズンではないためか、数個残っていて買うことができた。この、うに弁当は、こちらの画像のとおり(クリック地獄)、大粒のうにがビッシリのっていた。
これで1260円は、たしかに安い。と考えると、2007/08/31「食べた後、書き出す前。山陰の日本海。」に載せた、山陰のうに丼2000円も、汁とトコロテンと果物がついているし、けっして高くない。しかし、なんとまあ、うにの粒の大きさのちがうこと。三陸のうにの量を確保するためには、山陰のうには三倍ぐらいの個数の収穫が必要なのではないだろうか。
リアス亭の売店では、地元のジイサンがビン入り牛乳をうまそうに飲んで、「この牛乳もうめえよ」といった。見たら小岩井の牛乳だった。うに弁当を、その牛乳の値段分たべて、どちらが充足感があるかという判断は難しいし、比較できることではない。でも、実際の生活では、そういう比較はよくあることで、味覚もそのように「選択」されることが少なくない。
それはともかく、この夏は、うにやほたてを、もう食べたくないというぐらい食べた。ナマモノというのはアリガタイけど、どうもそれほどたくさん食べるものじゃないな、とも思った。海産物の加工や料理が発達したのは、もしかすると保存のためだけじゃなく、ナマモノが絶対的にうまいものではないからではないか、絶対うまいものなんてないのだ、と考えたりした。それは北九州で、ごまさばやひらすのごまあえなどを食べたときにもかんじた。ごまさばもひらすのごまあえも、ナマの刺身ではなく、ごま醤油とあえている。これを干せばみりん干しだろう。
ま、おれにとっては、絶対うまいのは、これですね。カップ酒。これさえあれば。これがあるかないかで、うにの味わいもまたちがうというわけだ。これさえあれば、うにはなくてもよいし、どんな海も、よい景色なのさ。
あっ、こうしちゃいられない。
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