赤キャップ呑んで「全否定」を考える。
ちかごろ赤キャップを愛している。これを店頭の陳列棚に見ると、つい「カワイイね」と手がのび、買い物カゴにほうりこんでいる。これで買い物の帰りは、うきうき、スキップの気分だ。
うふっ、おれのようなジジイが「カワイイ」だの「スキップ」だの、それこそ「キモい」か。
またまた、「キモめし」を押す声が届いた。30チョイすぎの女。言葉や文章に造詣が深いこと尊敬に値し、大いに酒をくらうこと女傑のごとし。
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「キモめし」、面白いと思います。口に出したくなる文字並びもよし。
とはいえ、長電話でのはなしも、わからないでもなく。
「キモい」は、情状酌量の余地のない全否定なので、そういう場面で言われたらつらいだろうな。
当方今現在、「キモい」という言葉を日常的には使わない男子としかつきあいがなく、その危険性はありませんが。
エンテツさんも書いてらしたように年代によってそうとうの使用差、温度差のある言葉ですよね。
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おおっ、「全否定」とはな、キツいぜ。言葉でひとを殺せるというが、息がとまるまでズタズタに切られたり銃弾を何十発ぶちこまれたりと同じことか。あな、おそろしや。新宿飲食界下層民キモ男の心情いかばかりか。この一年どんなによいことがあっても、女に言われた「キモい」の一言で帳消し、いまやルサンチマンのかたまりと化して、クリスマスも正月もあったものではない、楽しそうなクリスマスなひとたちを見ると銃の乱射でもしたくなる気分というが。チョイと待て、ルサンチマンなら、大宮いづみやでルサンチマンの味の煮込みを食べろ。それぐらいなら、おごってやるから大宮まで来い。これぞ「キモ酒」。
だが女、「当方今現在、「キモい」という言葉を日常的には使わない男子としかつきあいがなく、その危険性はありませんが」なんて、チト甘いぞ。だいたい「えっ、あのひとが、まさか」といわれるような人間がコロシをするのだ。紳士淑女ヅラした人間ほど腹黒いといわれるではないか。人間なんてのは、仮面をかぶって生きている底の見えない動物だ。自分のことが自分自身でもわからない。一瞬のちには何をやるか何を言い出すやら、わかったものではない。油断するなよ、政治の世界じゃなくても、一寸先は闇だ。優しく抱いてくれたばかりの男が、「あんた、キモい」というかも知れず。
ちとギスギスカリカリしすぎる世の中、すぐに「キモい」だの「ぶっ殺す」だのとなる。みな自分がカワイイのか。だからこそ「キモい」で洒落のめすってことがあってもいいじゃないか。まあ、みんな、そうカッカするな、「キモい」といわれたらよろこべ。気軽に「キモい」といおう。「兵庫のおじさん」じゃないが、「黒笑」の洒落だよ。それこそ、いまや失せようとしている貴重な個性だ。ひとの顔色をうかがい、誰からも好かれようと汲々とすることはない。傷つくのが嫌だからとひとを愛さないなんて馬鹿げている。自分のココロのままに堂々とふるまえ。切られても切られても殴られても殴られても立ち上がる不気味な、キモい人間になれ。力強く、キモいめしをくえ、キモい酒を飲め。……というココロが「キモめし」なのだな。たぶん。
まだ考え中。こうして朝から赤キャップを飲みながら「キモい」について考えるシアワセ。しかも愛人●号から届いたクリスマスプレゼントの生ハムなんぞをつまみに……うふふふふふのふ。女に「キモい」といわれたぐらいで、カッカするな、新宿飲食界下層民キモ男。
2007/11/18
大宮いづみやで「ルサンチマンの味」を知る
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