「雲のうえ」たっぷり。
「たっぷり」というのは、ナマ浪曲のときのかけ声だ。演者が舞台に立ち、うなりはじめたあたりだったかな?そのあたりで、「にっぽん一」とか「たっぷり」と客席から声がかかり、会場の雰囲気が盛り上がる。
北九州市のフリーペーパー「雲のうえ」は、今月25日に6号、特集「劇場」が発行になった。が、まだ5号のお声が絶えたわけではなく、今日28日の中村正三郎さんの「ホットコーナーの舞台裏」では、「帰ってきました。北九州紀行。「雲のうえ」。やっぱ、すごいぜ、北九州」のタイトルで、たっぷり熱く語られている。
拝見すると、中村さんは、門司の出身なのだ。こんなぐあいに感動を書き始め、ご自分のちゃんぽんへの思い入れや、いや、こちらが感動してしまった。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/01/28/2584520
この特集「はたらく食堂」というのが非常によかった。感動すら覚えた。
やっぱ北九州すごいよ。
働き者の街を支える大衆食堂が市内にたくさんある。いずれも昭和の熱の名
残りを残す。特に名物があるわけではなく、グルメでもなく、無論、高級店で
もない。
だがしかし、黙々と働く男たちを黙々と支える女たちが早朝から晩までやっ
てる、そんな食堂たち。なにげないけれど、街を根っこから支えている食堂た
ち。
森でいえば、大きな木ではなく下生えのような存在。下生えがなければ森は
死ぬ。それがまだこんなにちゃんとある。森は死んでないよ。
恥ずかしながら、「遠藤哲夫さんは、お名前を存じ上げなかったが、「大衆食堂の詩人」といわれているそうで、文章はうまいね。ああ、食いてえと、その気にさせるもん。」と、涙の絶版の著書まで紹介いただいている。ありがとうございます。
ついでだが、去る1月3日ごろには、多くの地方紙が、「人気も昇って「雲のうえ」 北九州市発行の無料情報誌」という見出しで記事を載せている。各紙とも、見出し本文が同じなので、おそらくどこかの通信社の配信のものだろう。取材風景の写真を同時に掲載した「福島民報」の記事にリンクをはっておきます。
福島民報
(2008/01/03 17:41)
人気も昇って「雲のうえ」 北九州市発行の無料情報誌
http://www.minpo.jp/view.php?pageId=4161&blockId=463759&newsMode=article
先日、「良心的」と定評のある中堅出版社の編集者と呑んだとき、その編集者も今年になるまで「雲のうえ」を知らなかったそうで、「こんなによい雑誌なのに知らないひとが多いのは残念です」といわれたが、地方のフリーペーパーが中央の有力誌紙で紹介されるチャンスはなかなかない。その「上」をみながら日々をすごしているひとが大勢のわけで、地方は埋もれやすい。ま、活字編集銀河界は、「中央紙島宇宙」や「神保町島宇宙」あたりの、中央意識バリバリのセンセイ方を中心に動いているからねえ。
「雲のうえ」、来年度は、どうなるのだろうか。いま予算編成が進行しているが、生き残れるかどうか。生き残って続いてほしい。
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