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2008/03/15

人生は不条理を生きるもの。

深夜2時過ぎ。「dankaiパンチ blog」を見たら、03月14日に「dankaiパンチ4月号も3月17日(月)発売です」と森山さんが書いている。

今号は「サクセスフル・エイジング」特集です。
年齢というものを肯定的にとらえ、あくまで前進していくスピリットに
溢れるコンテンツが満載です。

……とも書いてある。
それで思い出した。だいぶ前に、その特集のアンケートの依頼があって、安い酒代ぐらいはもらえるので答えた。いま、メールで返信した内容が気になって、保存してあったそれを調べてみた。

すると、「質問 1 いま一番夢中になっていることは?」に、「とくにいまということではなく、むかしから夢中だが、酒と女とめし。注釈すれば、安く酔える酒、金のかからない女、安く満足できるめし、である。人生、これに勝るものはない。」なーんて答えている。

それがそのまま載るのだ。いやあ、ははははは。ほかの質問は、「 2 あなたの手本や理想になる老人一人と、その理由を教えてください。(老人といっても晩年を迎えた人、という意味です。例・伊丹十三、深沢七郎なども対象となります)」と、「3 どのような死に方が望ましいですか?」にも、ろくでもない答え方をしている。

これ、前号の特集「ミニマリズム入門」が、あまりにもばかばかしい内容だったので、それへの「批評」「からかい」みたいな気分で書いたのだが、それがそのまま載る。ぐふふふふふ、ま、おれらしいかもしれないが、また生きる世間を狭くするか。

しかし、「老いる」というのは、ある意味じゃ、人生の不条理を消化することであり、そのために、こういう特集があるのだろうが、ま、ノー天気なものだといえる。若い愛する人が、いのちをすり減らしながら働き、あと半年後に死ぬかもしれない、といったことに比べたら、どうでもよいことだ。労災死は、もちろんそうだが、家族のための、自分が生きていくための、戦死にも似た死が、この平和日本の日常にある。

まず、自分が「生きる」ことを考えろ「希望を持て」というのは簡単だが、はて、自分のいのちと直接向き合っているのは、当人だ。

おれは、上の3番目の質問「どのような死に方が望ましいですか?」に、「あまり考えたことないが、自殺はしたくない。とくに切腹は嫌だ。」と書き出している。「自殺」と、「生きる」ための治療や手術などを拒否することは違うかもしれないが、やはり自殺行為のような気がしないでもない。

ガンで手術や治療を拒否して死んだおれの友人2人のことは、ちょうど一年前ぐらいに書いた。2007/03/22「あとをひく〔つるかめ〕の感傷」

彼らは、60歳そこそこだったから、あえて自殺的行為、早死にを選んだことになる。そして2歳で死のうが、80歳で死のうが、人生一生は同じという「哲学」を持ったおれも、そうしたかもしれないと思わなくはない。だから、かりに若い愛する人が、あと半年で死ぬかもしれないとわかったとしても、「生きる」ことを考えろ「希望を持て」とは、ますますいいにくい。でも、「生きる」ことを考え希望を持たなくてはならない、投げてはならない。そのように、人生は、とにかく不条理なのだ。

たくさんの親しい人たちが若くして死んでいった。当人が死ぬ覚悟なら、死の回避が不可能なら、それと付き合うしかない。それもまた、ひとつの不条理な人生だ。

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