供給も消費も「強迫観念」だらけ。
2008/03/10「農家数の減少だけで農業や食料の不安を語るのはマチガイ。」で、農水省のデータをあげて、「現在、農水省が進めているのは、「効率的かつ安定的な農業経営」(食料・農業・農村基本法)をめざしての大規模経営の育成で、小規模経営の切捨てだから農家数が減るのはトウゼンだし、農家数の減少ほどは、経営耕地面積は減ってない。」と書いた。
ところが、さきほど知人から聞いて知ったのだが、おなじ農水省のデータでも、農家数より耕地面積が、ものすごーく著しく減少しているデータがある。
というのは、見かけのウソで、グラフだけみると、そのように見えるのだ。つまりグラフの作り方で、印象が変わってしまうのだな。
このデータ。「農水省/食料自給率とは」の「4、農業構造の変化」…クリック地獄
グラフのスケールのとりかたで、耕地面積だけが、ものスゴーク著しく減少しているように見える。だけど、統計数字が少しずれるが、農業就業者数が、昭和30年代の1487万人から268万人への減、耕地面積は601.2万ヘクタールから469.2万ヘクタールの減。前者は8割以上の減少に対して、後者は2割のぐらいの減。それがまあ、グラフでは、まったく逆にみえる。
わざとそのように見えるようにつくったのかどうかは知らないが、これは、いくらなんでもヒドイ。大きな誤解をあたえかねない。
ついでに。いま「食料自給率」をとりあげ、食料自給がひっぱくしている、だから高くても国産を買って日本の農業を買い支えなくては、まるで日本の将来がないかのような「煽り」が盛んだ。後日、これも農水省がやっている、そのスゴイ例をあげたいと思うが、そこでは、その脅威だけを煽り(脅威が、まったくないわけじゃないが)、食育基本法の制定のときにはあれほど大騒ぎ問題になったはずの、「廃棄率」のことは、まったく鳴りをひそめている。現実に対して、まったくバランスを欠いている。
そもそも「食料自給率」は、現実に食べられているものの自給割合ではない。それがあたかも、現実に食べているものの自給割合であるかのような「誤解」を招くような表現をしている。先のグラフのように。そこにまず、からくりがある。
この自給率というのは、国内生産と輸入の総数から出しているのだから、輸入を減らす政策が遂行されないかぎり、国産を買えば買うほど廃棄率は高まるハズという関係もある。足りないから足りないぶんを輸入しているのか?そんなことは経済活動においてはありえない。では、そこんとこは、どうなっているのか、どう政策的に解決されるのか。農水省は、なにを考えているのか。
ギョーザの一件以来、日本の食と農業についての関心は高まっているが、ただ不安を煽られるのではなく、シッカリ見て考えなくてはな。自分の「生活」だ。
しかし、供給も消費も「強迫観念」だらけ。そんなことで、よりよい選択ができるのだろうか。おれのような酔っ払いのグウタラが、こんなことをクソマジメに書かなくてはならないなんて。天下の高学歴高偏差値連中は、なにをやっているのだ。
このブログ、15時ごろから21時間のメンテナンスに入るようです。
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