なぜ、バカは風邪をひかないのか。八戸五番街ブルース。
ここのところ調子がイマイチだった。なんだか、もうおれは、やはりトシだなあ、決定的にトシをとって、肉体が衰えているのだなあ。これじゃあ、若い愛人に逃げられるのも無理ないなあ、シクシクシク、と、日々、ブルーな気分で悲観していた。なにしろ酔いどれ深夜便も書けない状態だったのだ。
しかーし、きのうあたりから調子が上向きなのだ。今夜は、ホラ、いま午前1時すぎ、ほぼもとのにように、酔って書いています。
ふりかえってみると、風邪だったのだ。鼻水が、しまりの悪い水道の蛇口から絶え間なくしたたり落ちるように流れ出て。その状態は、ちょうど東北へ行くころに始まった。ここ10数年は症状が出なかった、ダストアレルギーが関係しているのかなあとも思っていた。岩手の一ノ関に着いた日も翌日も、冷たい雨と風だったから、それで鼻水が出るのだろうとも思ってみたりした。
今週になってからは、ふとんに入って横になっても、鼻水が流れ落ち続けるので、鼻の穴に鼻紙を突っ込み、口をあけて寝たりした。そのとき風邪だと気づくべきだったが、まさか風邪だとは思っていない。そもそも、毎晩のように遅くまで酒を呑んでいるから、頭が重く身体がだるくても、疲れなのか二日酔いのなのか、わけがわからんのだな。とにかく、ああ、おれもヤキがまわったと思いつつ、また呑む。そういう日々でした。
なんのことはない、風邪だったのだ。もっと早く気がついて、クスリでものんでチョイと寝れば、もっと早く治ったのだ。でも、まあ、不調とはいえ、一つだけ仕事がからまない約束をキャンセルしたが、酒は休むことなく、無事に回復した。ズーンと重かった頭も、スッキリ。
というわけで、きょうのタイトル「なぜ、バカは風邪をひかないのか。」なのですね。わかったのですよ。ようするに、バカは風邪をひいても風邪をひいたことに気づかないのです。そのうちに直るからです。
さあ、それでは、元気になったから、呑み屋の横丁だ。おとといの三軒茶屋で、横丁の呑み屋街がよかった。酔っていて覚えてないけど、画像を見て、しみじみそう思った。やっぱり、横丁、路地裏だよ。って、ことで、八戸の横丁だ。
ここは、先日も書いたが、入り口の角に「ガールハント」なる60年代風サロンがある五番街。スナックだらけの狭い路地。このあたりは、なんとなく元ハイカラ風のニオイがただよう。八戸は遠洋の漁港の街だから、そういうことが関係しているのだろうか。
五番街の入り口、「ガールハント」と反対側の建物。「わたし、ついに京都に来ちゃいました」というかんじの女が立っている後ろの建物は、木造の洋風がちで、細部の飾りのつくりまで、凝ったものだ。それから、薄暗い路地の看板も。元ハイカラの心意気をかんじる。ほかの看板も、オッと思わせるものがけっこうあった。「景気がよかったころ」は、このあたり、にぎやかだったにちがいない。ああ、札びらが舞ったかげに、沈むものと浮かぼうとするものが交差するところ、男と女の欲望がムレムレ漂っては一夜の幻をむすぶ、八戸五番街ブルースなかんじでした。
先日掲載したように、酔って、またここを通って帰ったのだが、「ガールハント」は、ちゃんと営業していた。50年配の、普段着のジャンパーをひっかけた、人のよさそうなオヤジが客引きをしていた。一瞬、もしかして経営者? まさかね、と思った。
トウトツですが、はたして、せんべい汁は、請う御期待。
| 固定リンク | 0
この記事へのコメントは終了しました。
コメント