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2008/05/19

酒のほかは趣味もなし、新宿「石の家」経堂「大田尻家」。

先日、三軒茶屋で諸行無常に呑んだ中原蒼二さんと16時。新宿・石の家で待ち合わせと決めたとき、チラッと競馬がある日だから混むかもと思った。

石の家は、やはり混んでいたが、座れないほどじゃない。競馬ファンは新聞とテレビとにらめっこだから静かなもんだが、クリカラモンモンが背中にありそうなオニイサン2人と、「情婦」という言葉が似合いそうな女2人がヨツパライをやっているそばのテーブルしか空いてない。そこに座る。クリカラモンモン風の1人は酔ってテーブルに突っ伏して寝ているが、女2人がにぎやかだ。

ま、しかし、呑むほどにそんなことは気にならなくなる。アレコレ話しては、お互いに「しかし、ほんと、酒以外、コレといった趣味がない」というところにもどりながら、アレコレ。この、どうってことない話をしながら呑む、いい加減さがたまらなくよい。ビール、チューハイ。

キンミヤ呑み続けて35年かそこらの中原さんに言われて気がついたが、石の家のグラスにはキンミヤマークがついている。おれは1962年5月に初めてここに入って、初めて餃子を食べて以来、何度も来ているが、焼酎がキンミヤとは知らなかった。むかしは焼酎の銘柄なんか気にしなかったこともあるのか。

気がついたら2時間たっている。牧野さんはがんばっているエライ、こんどは小田原あたり舞台になにかやりたいねえとか。楽しい時間は、すぎるのが早い。デハ、中原さんが北九州へ行く5年ほど前に住んでいた経堂へ行きますか。と、出る。まだ空は明るい。おお、なんと、都心なのに、空気がすがすがしい。いい気分。小田急線の経堂駅の改札で声をかけられる。祖師谷大蔵の阿部食堂のご夫妻。住まいは経堂なのだという。

すずらん通りを歩きながら、大田尻家。ゆっくりくつろぐ。「四月と十月」は、いまイチバンよい雑誌だ、美術系だけど文章がすばらしい、ライターの立場がないどうするの、ということなど。ビール、清酒、赤ワイン。中原さん帰り、家長が連絡してくれて、自宅にいてつかまった須田泰成さんがあらわれる。お休みのところ、すみませんねえ。一ヵ月後に講談社から刊行される「兵庫のおじさん」のゲラを見せてもらう。キング連載分に、その倍ぐらい書き足したもの、おもしろそう。21日の新宿ロフトプラスワンの「モンテイパイソンナイト」のことなど。23時、埼玉の空の下へ帰る時間。24時半ごろ帰宅。

ゆっくり時間をかけて呑んでいたからか、あるいは太田尻家の料理がうまくたくさん食べながらだったからか、泥酔記憶喪失にはいたらなかったようだ。

中原さんは、酒以外に趣味がないどころか、芝居が好きで好きだから続いている制作プロデュース。水族館劇場の公演が、今週末金曜日から始まる。都内文京区、駒込大観音境内特設蜃気楼劇場"黒の牙城"で「永遠の夜の彼方に」。その招待券をいただく。うまそうな酒もいただく。どうもありがとうございました。

「永遠の夜の彼方に」は、「いつでもないいつか。どこでもないどこか。錆びついた港のはずれ」と、炭鉱が舞台。つまりは中原さんは北九州市の仕事をやりながら、『雲のうえ』だけではなく、この芝居も生んだものらしい。すごいひとだ。

そういえば、中原さんが帰って、須田さんが来るまでのあいだ、大田尻家の家長と、「プロデューサー」という肩書のひとにはウサンクサイ人が多いけど、中原さんと須田さんはちがうねと話していたな。

よく文化を知るものは、文化を語らず文化を楽しむ。
よく芸術を知るものは、芸術を語らず芸術を楽しむ。
よく味覚を知るものは、味覚を語らず味覚を楽しむ。

よく不条理を知るものは、よく条理を知る。
よく非情を知るものは、よく情を知る。

ま、そういうものだ。

水族館劇場のサイト
http://www.suizokukangekijou.com/

中原蒼二さんのブログ、5月19日「初夏の夕方から酒をのむ…幸せ」にきのうのことが。
http://ho-bo.jugem.jp/

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