横浜ドヤ街事情。
横浜の石川町駅は、「寿町」の名で知られる、ドヤ街に近い。よーするに、むかしむかしの言い方では「木賃宿」であり、むかしむかしならフツウに庶民が利用するヤドであり、のちとくに昭和になってから「簡易宿泊所」として「下層労働者」とみなされる庶民が利用するところとなった。
大阪の釜崎、東京の山谷、横浜の寿町といえば、ある種の紳士淑女な「市民」のみなさんが、「都会の恥部」として無いことにしたがる、庶民の町だな。
そういうわけで横浜といえば、不動産屋のような市政を象徴する「みなと未来」などが注目されているけど、なかなかどうして、寿町周辺の商店街といい角打ちやモツ料理、大衆演劇など、猥雑な庶民の暮らしは健在のようであった。
こちらの未来を育てたほうが、よいようにおもうね。ぐふふふ、オシャレなギャラリーだのカフェだのが目につく、お行儀のよい町なんて、ツマラナイ。だいたいファンキーじゃないし。
なにしろ、ここでは、川の上にだってラブホがある。「舟の休憩所」。舟が休憩するところかとおもったら、そうではない、ニンゲン様が舟のなかで休憩というか楽しいスポーツをするのだな。この、ふところの深さ。うーむ、しかし、何人かの女に画像を見せながら入ってみようよと誘ったら、やはり拒否が圧倒的に多く(おれを拒否したのか、この舟を拒否したのかさだかではないが)、「いいわよ」といった女もいるけど、ちょっとここに入ってイタスには、そのう、愛人の許可も必要だし、しかも愛人とは連絡が困難であるからいつ連絡とれるかわからない、しばらく考えたい。ようするに、さすがのおれも、この舟を利用するについては、びびっている。
このあたりに来たのは、20年ぶりぐらいなので、ずいぶん変わっているようにおもえた。木造のドヤが、わずかになり、10階建てぐらいのマンションのような建物がふえ(画像一番上、見えている建物のほとんどは、簡易宿泊所)、なかには、看板に「簡易宿泊所」とあるが、現代的なホテルかマンションのようなものもある。これで、一日700円から1000円であがるならよいのだが、そうはいかないのが、ツライだろう。むかしのように400円ぐらいで泊まれる簡易宿泊所は、ほとんど姿を消した。
おおっ、するってえと、そのうち、このあたりにもギャラリーやカフェができたりするのだろうか。立ち飲みにいたような、土方ルックのオニイサンたちが、そういうギャラリーやカフェに入って、アートはね、オシャレなんかじゃなくて、もっと汗が飛び散る筋肉もりもりなんだぜ、おれの二の腕の刺青を見てくんねえ、やっぱ銀杏BOYZには伊勢崎町ブルースをパンクにやってもらいたいねぇ、なんていいながら、グビッとカプチーノのホッピー割りを飲む、なんていう妄想を、このホテルという簡易宿泊所を見ながら、妄想したのだった。
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コメント
そうですね。そういうことですよね。いろいろ話は聞きましたが、やはり撤去されましたか。東京もそうですが、河川の管理が厳しくなっているようだから。
投稿: エンテツ | 2011/06/28 06:41
船の休憩室はラブホテルではありません。これも簡易宿泊所の一種です。中で何をしようと勝手ではありますが・・・。現在は撤去されて存在しません。
投稿: 通りすがり | 2011/06/28 00:04