東京・八重洲でアヤシイ社長たち。泥酔。
ああ、雨の八重洲裏通り。
きのうは会社プレイの日だ。台風接近中、荒れ模様が似合う連中だからいいだろう。今後の動静を握るといわれているフィクサー、某社の社長らと飲むのだ。ヤクザな連中のはずなのに、ネクタイ、上着着用だという。政治家もそうだが、悪いやつらほど、かっこうつけたがる。10数年ぶりに夏用スーツを着ようとしたら、体重は変らないのに腹が出てパンツのファスナーが閉まらない。たくましかった胸毛が10センチほどある厚い胸板や盛り上がっていた肩の筋肉が落ちて腹にたまりやがった。いつものチノパンに、白ワイシャツにネクタイ、上着で出かける。
東京は八重洲の飲み屋、17時半の待ち合わせ。今夜の風雲をつげるような、アヤシイ黒い雲が空を覆っていたが、まだ雨は降っていなかった。
飲み屋のおやじにまで「社長」とよばれる男、坊主頭で見るからにアヤシイ。色白の腰ぎんちゃくのような男も、やや長めではあるが、これも坊主頭。ダークの、高そうなスーツを着ている。悪いことをしているのだろう。社長の命令とあらば、ケツの穴まで差し出しそうだし、なんでもやりそうな男だ。ナントカという兵法学者のファンだそうで、戦略室長なんていうエラソウな肩書。
ちょうど、出張所から支社に格上げになったばかりというハワイ支社長という男もいて、この男だけはアロハシャツを着ている。売人のような感じであり、実態はそうなのかもしれない。スラリとしたピンクのシャツを着た30ぐらいの女は、旅行旅館部門の部長とのことだ。東南アジア系の顔で清純そうだが、ものおじしないかなりふてぶてしい態度で食べまくる。まっとうな旅行旅館ではなく密入国や出国あるいはウラ金融などをあつかっているのではないかとおもわれる。いずれも油断ならない。
遅れて、某役所に出向中という係長が来た。みるからに小役人の風情だが、こういうやつにかぎって弱そうなマジメなふりして、アクドイことを平気でやる。いったい、この会社が役所に出向させるなんて、どういう癒着関係なのか、じつにアヤシイ。最後に、社長秘書という女があらわれた。これまた、いかにも、社長のためなら、相手が見たくないといっても服を脱ぎそうな女で、仕事はできそうだが敵にまわすとこわそうな女、アヤシイ。社長を影であやつるサドマゾ女のようにおもえる。
マグロのヒレの付け根の肉の蒸し焼き。刺し盛りなど、めずらしく豪華な肴。おれは生ビール二杯のち、ボトルでとった焼酎。取り引きの話は順調にすすみ、トウゼン飲み代は社長が払うものとおもっていたのに、割り勘! そんなのありか。
にもかかわらず、もう1軒というので、もう1軒。八重洲あたりのビジネスなファッションの若い男女で混雑のモンテローザ系。やつらはこういうところで飲んでいるのか。サブマネージャーみたいな店員の態度が悪くむかつき喧嘩になりそうだったが、社長たちがいたので、ちょっとクレームつけただけで、こらえる。
まだまだ、もう1軒、「ふくべ」。一年前ぐらいに牧野さんと入って以来だ。この時間帯のほうが空いているのかもしれない。閉店まで。かなり雨足が強くなっていたが、酔いも深い。東京駅で、アヤシイ社長らはまだどこかへ行くという。社長秘書が一緒だから、カラオケで乱交でもやるのだろう。あの男たちは、みな社長秘書に頭があがらなさそうだった。旅行旅館部門の部長女は従わず、おれと改札をとおる。もしかしておれとホテルへでも行く気かと期待したがさにあらず、部長女はおれとは別の電車に乗るため別れる。そのあたりで記憶喪失帰宅。
取り引きの証拠を残すため、ふくべで社長と社長秘書を撮影したら、いい雰囲気なので、おそるおそるブログに画像を載せてもよいか訊ねるとよいという返事だった。うーむ、よくできている。まるで舞台で芝居をしているみたいだ。アヤシイ。社長はなかなかの役者だ。楽しかった。八重洲あたりじゃ、これがフツウだろうが、ひさしぶりにネクタイで酒を飲んだ。悪くない。
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