言水制作室、美篶堂、食堂アンチヘブリンガン、天狗、アートな酒の日。
きのうのこと。
水道橋から歩き、神田神保町の言水制作室に17時過ぎ。言水ヘリオさんとひさしぶりに会う。最近知ったというか気がついたというか、言水さんが発行していた展覧会情報誌『etc.』は今年一年休刊していたのだった。でもトウゼンながら言水さんは忙しくアレコレの美術イベントに関わっていたらしい。そしていま、神保町や神田エリアを舞台に「美術+雑貨×古本≒リトルエキスポ」の事務局役で、言水制作室は作家グッズ売場になっている。
神保町界隈には、ちかごろ、オシャレかわいい系の雑貨店や飲食店が増えて、野暮ったい「古本のまち」が変化しているのだとか。その旧新変化の流れを、そのまま流れにまかせて大げさな「企画」というほどのこともなく開催となったのが、「美術+雑貨×古本≒リトルエキスポ」らしい。書店やギャラリーや雑貨店や飲食店を会場にして、作家の作品の展示販売。水道橋駅周辺から御茶ノ水駅周辺まで、会場になった20か所ほどをまわって歩くうちに(一日では、まわり切れないだろうが)、ふだんは通らない小路に入ったり、神保町周辺の古い理解フノーの店を発見したり、といった楽しみもあるという仕組みのようだ。
帰りがけ、福田尚代さんの『初期回文集』をいただく。福田さんの「回文」については、このブログにも書いたとおもうが、何号か前の『四月と十月』の「仕事場訪問」だったかな?で読んで、興味を持っていたので、すごく得した気分で、言水制作室をあとにする。
んで、そのリトルエキスポの会場の一つである、御茶ノ水の堀沿いにある美篶堂(みすずどう)へ向かう。ここでは、得地直美さんの第4回個展『レンガの喫茶バー』が開催中なのだ。得地さんは、木村衣有子さんの『わたしの文房具』(KKベストセラーズ)に登場する。木村さんが京都時代からの友人のイラストレーター。ってことで、18時半に、木村さんと待ち合わせた。
「対象をじっと見て描いているのだろうと思わせる絵だ。浮ついていない。なのに勢いがあるという、珍しい画風である」「たいていは色鉛筆で描いている。色づかいがとても上手」と『わたしの文房具』で木村さんが書いた得地さんの絵をみる。なるほど。「レンガの喫茶バー」には、欲しいイイイッと思った作品が何点かあったが、一点25,000円なので買えない。木村さんに紹介された得地さんは、いまは東京で、印刷会社に勤めながら描いているのだとか。
16日(日)までだから日にちはないけど、おすすめ。こちらに、案内があります。…クリック地獄
美篶堂の店主、上島明子さんにもチョイと話を聞く。もとは製本屋さん?ということだけど、その技術を生かしたユニークな展開をしているようだ。おもしろい。
さてそれで、ここで木村さんと待ち合わせたのは、やはりリトルエキスポに参加の「四月と十月展」会場の「食堂アンチヘブリンガン」へ行くためなのだ。堀沿いにお茶の水駅へ出て橋を渡り、線路沿いに水道橋に近いところまで歩く。途中、木村さんに、きのうのエントリーのなかで、石黒謙吾さんと石黒由紀子さんの「石黒」が「黒岩」と間違っているといわれる。いけねえ(帰ってきて、すぐ直した。石黒さん、すみません)。木村さんは京都時代に石黒さんに会ったことがあるのだそうだ。てな話をしながらアンチヘブリンガン。
なるほど、なかなか感じのよい店だ。そんなにこった造りではないが、落ち着いて楽しく飲食できる雰囲気がある。そのなかに、自然に以前からそこにあったという感じで「四月と十月」のみなさんの作品がある。
とにかく生ビール。料理の注文は木村さんにまかせる。生ビールが、うまいっ。開店して2年と聞いたような気がするが、もう何十年もここでやっているような感じだ、料理の味も落ち着いている。くつろぐ。
と、「わめぞ」といっていいのか、NEGIさんがあらわれる。職場のひとが一緒、あとから職場の近所の紅茶専門の喫茶のマスターも。なんとなく一緒になりつつ、なんとなく別々になりつつ、酒と会話がすすむ。生ビールのあと、赤ワインを飲んでいたが、どうしても清酒が飲みたい。とゼイタクをいったら、マスターがコレならあると、大吟醸を。大吟醸よりフツウの酒がよいなどとゼイタクをいいながら、それを飲む。いい気分。
でも、やはり、ちょいともう1軒行こうかと、木村さんと出る。10時を過ぎているから、あまり時間がない。水道橋駅近くの「天狗」に入って、新政の燗。ふ~っ。
23時ちょうどごろ出る。二人とも、いい酒だったが、なんとなく飲み足りないなあという気分で、水道橋駅で別れ、上野駅で終電一本前の23時27分発の電車で帰った。お行儀のよいアートな酒の夜だった。
言水制作室…クリック地獄
リトルエキスポは、17日まで。
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