きのうは、知り合い関係から案内があった5つぐらいのイベントがぶつかっていたが、初めてでなんだかおもしろそうな、阿佐ヶ谷ロフトの「飲食」を選んだ。ほかの方すみません、せっかく案内をいただきながら、わが身は一つなもので、懲りずにまた案内をください。
16時半開始の少し前、パール商店街を流していると、誘ったちんくんとバッタリ会い、そのまま一緒にロフトへ。開始が少し遅れているためバーで、さっそく生ビールをやる。この日の魅力の一つは、通常600円の生ビールが300円なのだ。イベント開始前だったけど、300円。
2000円払い、カレーとたこやきの引換券をもらい入場。
ちんくんとは夏以来だ。彼、激しく忙しく、休日には動く気がしないほど疲れているらしいが、うまいぐあいに入稿が終わったあとで、ひさしぶりに会うことができた。東京暮らし2年、新しい出版社にもなれて、自社PR誌の編集や単行本の編集が、忙しいけど愉しくてたまらないらしい。けっこうなことだ。生ビールがんがんやりアレコレしゃべる。
しばらくして18時ごろか?もぐ女史がダンナと子連れであらわれ、その後、えーと、山梨から来たひとまでいて、それは銀杏BOYZの30代女の会って感じなのか? 女が二人に、ダンナ連れの女が一人ちょっと顔を出していたようだな。ま、とにかく、そちらのほうはちんくんにお相手をまかせる。
舞台では、DJやらなんやら。その騒々しいなかで、アコースティックギターを持って、淡々でもないが、絶叫というほどでもなく、詩をうたうようにうたう男の詩が、けっこうよい。聴き入る。
便所に立つと、その彼が、テーブルで飲みながら誰かと話している。そこに腰かけ、ちょうど話がとぎれたところをネライ、声をかける。感想をいうと、バッグからCDを二枚取り出して、くれるという。恐縮しカネを払おうとするが、周囲の人に広めてもらえればよいから、いらないという。
で、ここに、このCDが登場。Lucky13中瀬至。リクツはいらない、歌詞をチョットだけ紹介しよう。
アルバムその1「Lucky13 コードネーム"男の子"」。「真っ直ぐなんだけど、どこかひねくれてて、だからとても人間ぽくてリアリティーがある。"幸せなLucky"+"不幸な13"相反する何かに"悩む"でもそれが"面白くて切ない"。」というコピーがついている。
最初の曲「コードネーム男の子」は、こんなふうに始まる。
たとえば僕がハリネズミで 君は優しい野ウサギで
抱きしめあったらふれあうたび、痛みを伴うとしよう
ならば心地よい距離感より、傷つけあって呼びあいましょう
その2。「僕らの革命はもう一度「今、ここ」から始まる…」のコピー。最初のうたは、「大きすぎない歌」。これは会場でもうたった、つまり生で聴いた、これがよかった。こんなふうに始まる。
一つじゃない 世界は一つじゃない
そんな憂鬱には 誰もが気付いているから
君を呼ぶ 君の名前で呼ぶ
まずはそんなところから 始めようと思うんだ
僕の革命はどう?
ちょっと前のミュージシャンが
世界は一つだとテレビの中で笑っていた
だけどそれは 彼らの好きな世界でしかなく 僕は取り残されたんだ
僕らには名前がある 色なんかで僕を呼ぶな
ちんくんは、依頼した原稿のことで用ができ先に帰り、おれはトツジョ生々しい現実にさらされる。おお、リアリティ。生ビール6杯ぐらい飲んだか、そのあとバーボンを2杯飲むが、うまく酔えないので、先に帰る。
ニンゲン生きてウロウロしていれば、"不幸な13"にもでくわすし、"幸せなLucky"にも出会う。この夜、最高に"幸せなLucky"は、中瀬至さんとその詩に出会ったことだろうか。トシをきいたら、30歳だという。
おれは、素直で優しく正しく明るいだけというより、カリカリポキポキ紆余曲折少々めんどうでも「真っ直ぐなんだけど、どこかひねくれてて、だからとても人間ぽくてリアリティーがある。"幸せなLucky"+"不幸な13"相反する何かに"悩む"でもそれが"面白くて切ない"。」って感じが好きなのかもしれんなあ。
「心地よい距離感」なんて、ビジネスのテクニックとしてはともかく、いやだねえ。だいたい、インチキくさいよ。
ま、そういうわけで、きょうは、この2枚のCDを聴きながら、酒とバラのトゲで傷ついた胃と脳みそを癒しているのである。なーんてね。
中瀬至を聴け!
いまこそ泥酔を!