14日、15日、ミーツ・リージョナル別冊大阪版「酒場本(仮)」の取材のため、前夜も大阪で呑むべく13日朝に発った。
13時過ぎに新大阪着。午後付き合ってくれる予定のやつが、出張先の四国から帰れず、ひとりで築港あたりを缶ビール呑みながらウロウロ。天保山初登頂、水景色を見ながら呑む缶ビールが、たまらんうまさ。地図で調べると、ここは堂島川や土佐堀川の下流、安治川の河口になるのだな。うん、いま時分は、野外呑みがいいね。
ホテルにチェックインのち18時半ごろ、動物園前一番街のココルームへ行って呑み始める。そのあとは、出会ったみなさんと、成田屋を往復しながら、杉本洋一さんの「路地裏の猫」写真展を見たり、3月の「場所の力」シンポジウム打上げだの、野狐禅解散残念会だのと、呑むことになるのだが、詳しくは後日。思いがけない人にも会えて、よい夜だった。22時過ぎまで呑み、ホテルにもどる。
取材は2日ともミナミがスタートなので、千日前にホテルをとった。14日は、そのホテルから1分ぐらいの、なんば千日前通の食堂で昼めし酒取材でスタート。11時に、なんばグランド花月前に編集の溝口さん、写真の本野さんは初対面。とにかく、今回の趣旨は、大阪、神戸、京都、それぞれの街場の食堂で酒を呑むことの探究なのだ、食べ、そして呑まねばならぬ。しかも、昼酒。
千日前の食堂を終えて、少し時間があるから、いったんばらけて神戸の元町交番前に14時集合、近くの食堂で、また、呑み。とにかく、食べ、かつ、呑む。高架下を歩いて新開地、神戸駅前の食堂へ移動。また、呑む、呑む、呑む。17時半ごろ、終了。
溝口さんと本野さんは大阪にもどり、深夜までスナックの取材だという。おれは新開地をプラプラ。以前に入ったことがある、ボートピア近くの串カツ立ち呑みを見つけ、入る。だけど、生ビールに串カツ2本食べたら、もうダメ。ああ、情けない。兵庫駅まで歩き、20時半ごろ梅田にもどる。
心斎橋に出て、千日前まで、歩く。心斎橋筋の大丸あたり、パチンコ店が並んで、ガラリ風景が変った。千日前に着き、なぜか王将の看板を見たらラーメンを食べたくなり、ラーメンを食べる。なぜかタコ焼きが食べたくなり買い、缶ビールも買い、部屋で食べて呑んでいるうちに、そのまま寝てしまったらしい。朝方目が覚めたら、タコ焼きが3個残っていた。
15日は11時、心斎橋の食堂からスタート。ホテルを10時頃チェックアウトし歩く。道頓堀ドンキの裏というか表というか、宗右衛門通は、キャバクラがズラリ並び、「朝キャバ」なんていうサインも多い。朝キャバ、朝酒、なんでもあり。胃がもたれる、途中の薬局でソルマックと正露丸を買う。11時開店早々から大賑わいの老舗洋食屋で、オムライスと串カツをビールで流し込み、終わり、京都へ。
淀屋橋へ出て、京阪電車で「祇園四条」に駅名が変った四条で下車。加茂川を渡る川風が心地よい。こんな日は、若い女と一緒に過ごしたい、と、本野さんが言い。ふむ。錦市場のバッキー井上さんの漬物屋を教えてもらい、少し時間があり、河原町のリプトンでお茶。14時15分ごろ、藤井大丸裏のへんの取材の食堂へ。ここが最後だ、ぐわんばって食べ、呑む。無事に終了。
たぶん、いちおう、呑み食いだけは、無事に終了した。原稿を書けるのか? 企画はつまった状態じゃなかったが、でもまあ、途中移動しながら、こんなふうにあんなふうにと話していたから、なんとかなるだろう。
さて、それで、河原町から阪急で梅田にもどる。17時に大阪駅で、東京から来る大竹聡さんと待ち合わせなのだ。つまり、おれの取材は終わり、続いて大竹さんの取材がスタートする。おれは帰りの新幹線の時間まで付き合って呑むのだ。
大竹さんは、深夜24時ぐらいまでのあいだに、6軒呑まなくてはならない予定だ。クスリと、それから、これを呑んでおくと確かにあまり酔わないというものを、口に含んで準備を整える。
環状線内回りに乗って、一軒目は福島のガード下、二軒目、西九条のガード下トンネル横丁、そこが終わって19時。もう一軒付き合うと、今晩ホテルで一緒に寝ようよと誘う大竹さんの誘惑に負け、ウチまで帰る最終新幹線を乗りはずしそうなので、西九条駅で次の店へ向かう彼らと別れる。
新幹線に乗って爆睡。24時ごろ、よたよた帰り着いて、ビールを呑んで寝る。陽射しは強いがさわやかな、ビールがうまい3日間だった。
最後の写真は、福島ガード下のワイン酒場で、大竹さんの地獄の6軒はしご酒のスタートを祝し、お互いの写真をお互いのデジカメで撮り合った遊んだ絵であります。
今夜のこれからを想像し、もはや大竹さんは、ヤケクソ気味です。「こりゃあ、わしに焼酎と体力勝負の仕事ばかりさせないで、じっくりワインと文学勝負の仕事をさせんかい」とグレているようです。地を出したのか、演技なのか。
いやあ、しかし、次の西九条の高架下の飲み屋も、よかった、楽しかった。はたして、そのあとは、どうなったのだろうか。無事に6か所やれたのか。いまごろ(16日午前10時半)、どうしているのやら。
6月25日発売を、大竹さんもおれも無事に迎えられるか。