きのうは、またまたよく動き、よく飲んだ。7時15分ごろウチを出て、酔っぱらって帰ってきたのが、24時半ごろ。
まずは中央線武蔵境から、西武多摩川線なんていう初めて乗る、駅が6ぐらいしかないローカル線の、多磨駅近くの東京外語大のキャンパスへ。9時10分ごろ到着。遠い。
カルチュラル・タイフーン2009。各発表の会場となる講義研究棟の入口横の、なんやらエスニックなよしず張り風テントのところで、シノさんが炭をおこしている。ぐうぜんなことに、彼は、この屋外飲食物販売ブースに出店の、新宿百人町にある「TAPiR(カレー)」の手伝いに来ていたのだ。あちゃこちゃ、つながっているものだ。
朝早く、腹を空かして着いたおれは、ワガママをいって、まだめしは炊けてないが、できたてのチキンカレー汁だけを食べさせてもらい、発表会場へ。9時半から、五十嵐泰正さんの司会で始まる。
筑波大の五十嵐さんが指導する学生さんたちの発表は、前にも紹介した、「サブカルチャー、地域意識、ジモトつながり 郊外の現在」と題して、柏での社会調査実習の結果だ。なんとまあ、コメンテーターとして、売れっ子の北田暁大さんが来ていて、おどろいた。五十嵐さんの「力」か。
三浦展さんの「ファスト風土」をめぐって、北田さんと発表者のあいだで、「やりとり」があったのだが、学生は「未熟ゆえ」素早く十分な対応ができないのは仕方ない。いまや「ファスト風土」という言葉自体がひとり歩きしているようだが、「ファスト風土」なんていうのは、なんてのかな、「風俗的」な側面で、そんな言葉でとらえなくてはならない「社会的な風土」なんてないとおもっているおれにとっては、この調査結果は、なかなかおもしろいものだった。
柏市は、東京の「郊外」であるけど、独立した中核都市の色彩も強く、ま、埼玉の川口や浦和や大宮だって、東京を軸にみれば、「ファスト風土」な「なにもない」郊外であるけど、それは、ほんの上っ面のことにすぎないし、そこから見ていたら、「郊外」の実態はあきらかにならない、ということを、こういう調査はあきらかにしてくれる。「ファスト風土」という言葉自体が、東京目線なものであり、土地で暮らす人たちの内実に迫っていない。
とかね、あれこれ考えてみるのもよいのだな。
11時15分ごろ終わり。「TAPiR」で、豆乳でつくったカッティーズチーズのカレーを食べながら、テキーラ入りのジンジャエールを飲む。まもなく、五十嵐さんも来て、二人でビールなんぞを飲みながら、おしゃべり。3月の大阪での「場所の力」シンポジウム以来か。ほどよく風もあって、広々とした緑のキャンバスは、まったり気持ちよかった。
13時ごろ、五十嵐さんとわかれ、池袋へ。古書往来座のわめぞ外市。いろいろな人とあい、おしゃべり。名前だけはよく聞いていたPIPPOさんと、初めて。めったに、そんな話をする機会もない、詩と朗読なんぞについて、あれこれ。
魚雷さんや、魚雷さんが、ひきずりこんだらしい「わめぞ第二世代」といわれる若者たち、など初対面のほかに、刃研ぎさん、旅猫さん、ネギさん、もちろん往来さん、古書現世の向井セドローくん、立石書店のイチローくんなど、いつものコアメンバーのほかに、覚えきれないたくさんのひとたち。そして、ようするに、のんべえ女子、武藤さんと、往来座前のベンチで、ビールなんぞを飲みながら、話し込んでいた。たいした話をしていたわけじゃないが、外市の書棚のところには、七夕かざりに、風鈴。風にふかれてチリリン鳴り、クルマ騒音激しい明治通りだけど、なんだかまったりな雰囲気で、のんびりすごす。
そのあいだに、何度か瀬尾さんと連絡をとる。おれはカルタイに参加のため行けなかった、四月と十月古墳部長のスソアキコさんが、「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載の「ひとり古墳部」の取材もかねて、高崎市にある群馬県立歴史博物館の大埴輪展へ行ったグループと、合流して飲むのだ。
おれは携帯を持ってないから、近所の電話ボックスを利用する。いまじゃ、街頭から姿を消しつつある電話ボックスだが、ちょうど往来座の近くにはあるんだな。古書と電話ボックス、なかなか似合う風景だ。なんちゃって。
で、とどのつまり、20時3分に新宿に着くということなので、西口の鳥園で待ち合わせ。おれは先に行って場所とり。古墳部一行は7名だったとのことだが、翌日の仕事もあり疲れて帰ったひともあり、スソさんと畑井さんと瀬尾さんの3人。畑井さんは、身体のぐあいを悪くされていたので、たしか昨年の暮れに、チョイと顔を合わせることはあったが、ゆっくり飲むのは、2年ぶりぐらいか。すっかり元気そうで、顔色もよいし、酒ものめるし、よかったよかった。
最近は、古墳部などで博物館へ行くと、ボランティアのガイドさんがついて、たいがい定年退職のようなおやじ、あれこれ説明するのだけど、これが、突っ込みどこ満載の、ありえないイイカゲンな説明をすることが少なくない。この日の、大埴輪展のガイドも、そういうおやじだったらしく、それをネタにしばし、盛り上がる。ネタとしては楽しいけど、たいがいのひとはガイドの説明を、とうぜん信じちゃうから、困ったものだの「ガイド公害」。
のち、スソさんの「農村的環境体験」が、年齢差あるにもかかわらず、おれのそれと近いことがわかり、これまた大いに盛り上がる。などと、楽しく飲んでいるうちに、23時すぎの終電間近になり、解散。心地よい酔いで帰宅。
さて、スソさんは、この大埴輪展について、「ほぼ日刊イトイ新聞」の「ひとり古墳部」で、どんなことを書くのだろうか。こちら、スソさんのホームページから、「ひとり古墳部」を、ごらんください。スソさんの本業、帽子デザインのこともおもしろいし、イラストもよいね。…クリック地獄