さまざまな新規就農、あるいは移住者。美瑛町では、フツウのスタイル。
7月31日、旭川空港に着いてレンタカーを借り、相棒のカメラマン秋山さんの運転でむかったのは、最初の取材先、4年前に新規就農で移住したサワダさんの御宅だ。美瑛町は、新規就農支援に力をいれているようだったし、なぜ北海道そして美瑛町を選んだのかも知りたかったし、ぜひお会いしたかった。
サワダさんは、ある大手メーカーを辞めて就農した。年収は半分になったという。自家用の稲作のほかに、トマトとアスパラで営農している。トマトもアスパラも、ハウスでやるので施設園芸といわれる。トマト7棟、アスパラ2棟のハウスが、サワダさんの生産施設だ。
きょうは、また出かける準備で忙しいから、そのうち詳しく書こう。ひとことで「就農」といっても、なにをどれぐらいやるかの計画、それは資金力や年齢つまり体力や場所なども関係する。さまざまなのだ。もろもろの条件が、うまく噛み合うか、うまくかみ合わせることができるかどうかである。
サワダさんが、昼食を食べに案内してくれた先も、サワダさんより一年後に新規就農された方だ。一年前にはレストランも開業、Webサイトもあって、見ると貸しコテージや野菜の直販など、「多角的」にやっている。
「ファーム 雨読舎」、いただいた名刺の名前には、「百姓」の肩書。入口の看板には、「農家のランチ」とある。レストランは、営農の一貫だから、昼だけの、曜日も限られた営業なのだ。
上の蕎麦畑が広がる画像の右端の中頃に、黒っぽい屋根が写っているのだが、そのあたりにある。このへんは、丘陵地帯で、「北西の丘」展望台などがある、「丘のまち 美瑛町」のメジャーな観光地だ。ということは、きのう書いたように、広大な畑作地でもある。
雨読舎のサイト
http://www.udocsha.jp/
サワダさんの地域は、ここからクルマで15分ほど旭川空港に近い、稲作もできる平坦地であり、いわゆる観光地ではない。それなりに、よい風情ではあるのだが。
移住者は、新規就農者とは限らない。観光産業に関係する、ペンションや飲食店やギャラリーなどを経営するひとが多いようだ。
ともかく、サワダさんと雨読舎さんのばあい、まず「就農」ありきというより、古い言葉になるが「脱サラ」、「自営」の選択が先であり、その自営の一つの選択肢として営農があった。ということなのだな。
それぞれ東京圏と京都からの移住だが、北海道を選んだのは、どうせやるなら、アイマイ中途半端はしたくないからだといった。つまり、ほかの収入源に手を出しやすい地域ではなく、働くときは一所懸命に農をするより仕方のない地域ということになるだろうか。そういう「覚悟」の固め方のようだ。であるから、雪のない働く季節は休まずトコトン働き、冬の数ヶ月は、何もしないで過ごす。
それは農家にかぎらないらしい。泊まった民宿クレスも、これが町中のとてもよい民宿だったので後日紹介したいのだが、冬は休むといっていた。全部が全部そういうことではないが、そういうスタイルがフツウに存在する場所なのだ。
そんなふうに生きるスタイルなり覚悟を決めてしまったひとたちの「美しさ」に、チョイとふれた気がした。これも、「日本で最も美しい村」を支える「何か」なのかも知れないが、こういう人たちにかぎって、アンガイ「日本で最も美しい村」連合の存在に無頓着であるようだった。民宿の若い女将は、「日本で最も美しい村」のことは、まったく知らなかった。そういうものなのかも知れないし、それでいいのかも知れない。
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